ORCID研究者IDの登録方法と論文・助成金管理での活用法を示すインフォグラフィック

ORCID iDの登録方法|手順・つまずきやすい点と論文投稿での使い方

ORCIDの登録は無料です。orcid.org/registerで氏名・メールアドレス・パスワードを入力し、届いた確認メールのリンクをクリックすれば完了します。所要時間は数分で、その場で16桁のORCID iD(例:0000-0001-2345-6789)が発行されます。取得したiDは、論文投稿システムでの著者認証、科研費など助成金申請での業績提出、researchmapと連携した業績管理の3つの場面でそのまま使えます。

かんたんに言うと

ORCIDは、研究者一人に一つだけ与えられる国際的なIDです。登録は無料で数分、必要なのは氏名とメールアドレスだけです。所属機関が変わっても、改姓しても、同姓同名の研究者がいても、業績はこのIDに紐づいたまま残ります。多くの国際誌が投稿時にORCIDを求めるため、最初の投稿より前に取得しておくのが確実です。

本記事では、ORCIDが何とつながるのかを先に整理したうえで、登録手順と各ステップでつまずきやすい点、プロフィールに登録すべき項目、業績を自動で取り込む方法、researchmapとの連携設定、公開範囲の考え方までを、日本の研究者向けに順に解説します。

ORCIDは何とつながるのか

ORCIDを取得する実際の効果は、次の3つの場面に現れます。いずれも「同じ業績情報を何度も入力し直す作業をなくす」という同じ仕組みに支えられています。

場面 ORCIDが果たす役割 取得しておくと変わること
論文投稿 投稿システム上で著者本人を認証し、著者情報とiDを結びつける ORCIDを必須とする雑誌に投稿できる。出版後、連携を許可した出版社から掲載論文がプロフィールに追加される
科研費・助成金申請 業績リストの出力元として使う。researchmapと相互連携させれば業績を共有できる 申請のたびに論文リストを手入力し直す必要が減り、記載漏れや表記の揺れを防げる
業績管理 所属・学歴・論文・査読歴を一つのプロフィールに集約する 異動や改姓があっても業績が分断されない。同姓同名の研究者と取り違えられない

科研費の申請書そのものの書き方については、科研費申請書の書き方完全ガイドで詳しく解説しています。

ORCIDとは

項目 内容
正式名称 Open Researcher and Contributor ID
形式 16桁の数字(例:0000-0001-2345-6789)
運営 ORCID, Inc.(非営利団体)
費用 研究者は無料で登録・利用可能
開始年 2012年
登録者数 1,900万人以上(2024年時点)

なぜORCIDが必要か:

  • 同姓同名の研究者との混同を防止
  • 結婚・改姓後も業績を継続して追跡
  • 所属機関変更時も一貫したID
  • 多くのジャーナルで投稿時に必須

ORCIDの登録方法(Step-by-Step)

ステップ 内容
1. アクセス orcid.org/registerにアクセス
2. 氏名入力 First Name(名)、Last Name(姓)を入力
3. メール入力 機関メール推奨(所属確認に使用)
4. パスワード設定 8文字以上、数字・記号含む
5. 公開設定 Everyone / Trusted parties / Only me から選択
6. 認証 メール認証リンクをクリック
7. 完了 ORCID iD発行(即時)

ヒント: 日本語名と英語名の両方を登録できます。「Also known as」欄に旧姓や別表記を追加しましょう。

各ステップでつまずきやすい点

登録フォーム自体は簡単ですが、日本の研究者があとから修正することになりやすい箇所は決まっています。入力の時点で次の点を押さえておけば、直す手間がかかりません。

入力項目 つまずきやすい点 推奨する入力
氏名(First / Last) 日本語の「姓・名」の順で入力してしまい、論文の著者表記と食い違う First Nameに名、Last Nameに姓を入れる。論文で使っている英語表記に合わせる
別表記(Also known as) 旧姓やローマ字表記の揺れを登録しておらず、過去の論文が紐づかない 日本語名、旧姓、これまで論文で使った英語表記をすべて追加する
メールアドレス 所属機関のアドレスだけで登録し、異動後にログインできなくなる 機関メールを主として登録し、個人用アドレスも予備として追加しておく
公開設定 既定のまま進め、業績が非公開のままで投稿システムから参照されない 論文・所属・学歴はEveryone、メールアドレスはTrusted partiesが目安
メール認証 確認リンクを踏まないまま放置し、連携機能が使えない状態が続く 登録直後に受信箱を確認する。届かない場合は迷惑メールフォルダを見る

登録直後にやっておく3つの設定:

  1. 所属機関と学歴を、開始年月と終了年月を添えて登録する
  2. 「Works」から自動インポートを設定し、既発表の論文をDOI経由でまとめて取り込む
  3. researchmapとの相互連携を設定し、国内の業績と国際的なプロフィールを同期させる

iDの正しい書き方: ORCID iDは数字だけを書くのではなく、https://orcid.org/0000-0001-2345-6789のようにURL形式で記載するのが正式です。投稿システム、履歴書、メール署名でもこの形式を使ってください。

ORCIDプロフィールの充実

カテゴリ 内容 公開設定
氏名 本名、旧姓、別表記 選択可能
所属機関 現在・過去の所属(期間付き) 選択可能
学歴 学位、取得機関、年度 選択可能
業績(Works) 論文、書籍、特許、データセット 選択可能
助成金 研究費、グラント番号 選択可能
査読・編集活動 査読履歴、編集委員歴 選択可能
キーワード 研究分野、専門領域 選択可能
Webサイト 研究室HP、ResearchGateなど 選択可能

業績の追加方法

方法 説明 推奨度
自動インポート Crossref、DataCite、PubMedから自動取得
Search & Link DOIやタイトルで検索してリンク
BibTeX/RIS取り込み 文献管理ソフトからエクスポート
手動入力 フォームに直接入力

自動インポートの設定: 「Works」セクションで「Search & link」→「Crossref Metadata Search」を選択すると、DOIで登録された論文を自動検索できます。

ORCIDの活用場面

論文投稿時のORCID対応

出版社/ジャーナル ORCID対応
Nature系列 投稿時に必須
Science系列 投稿時に必須
PLOS 責任著者は必須
Springer Nature 投稿時に推奨
Elsevier 投稿時に推奨
Wiley 投稿時に推奨
Taylor & Francis 投稿時に推奨

助成金申請時

助成機関 ORCID利用状況
JSPS(日本学術振興会) 科研費電子申請システムで連携可能
JST(科学技術振興機構) researchmapと連携、ORCID推奨
AMED 申請時に推奨
NIH(米国) eRA Commonsで必須
Wellcome Trust(英国) 申請時に必須
ERC(欧州) 申請時に必須

researchmapとの連携

項目 ORCID researchmap
運営 国際非営利団体 国立情報学研究所(日本)
対象 世界中の研究者 主に日本の研究者
主な用途 論文投稿、国際助成金 科研費、日本の業績管理
言語 英語中心 日本語対応
連携 相互連携可能 相互連携可能

推奨: 両方に登録し、相互連携を設定しましょう。researchmapからORCIDへ業績を自動同期できます。

researchmapの登録手順や公開範囲の考え方は、researchmapの登録と使い方(重複アカウントの確認・公開範囲・よくあるトラブル)で解説しています。

連携設定手順

ステップ 内容
1 researchmapにログイン
2 「設定」→「外部サービス連携」
3 「ORCID連携」をクリック
4 ORCIDにログイン、認証
5 同期する情報を選択
6 連携完了

他の研究者IDとの関係

ID 運営 特徴 ORCID連携
ORCID ORCID, Inc. 国際標準、非営利 —
Scopus Author ID Elsevier Scopus収録論文で自動付与
Web of Science ResearcherID Clarivate WoS収録論文で付与
Google Scholar Profile Google 無料、被引用数表示
ResearchGate ResearchGate GmbH SNS機能、全文共有
researchmap NII(日本) 日本の業績DB

推奨する登録順序:

  1. ORCID(必須・最優先)
  2. researchmap(日本の研究者は必須)
  3. Google Scholar Profile(被引用数確認用)
  4. ResearchGate(ネットワーキング用)

ORCIDのプライバシー設定

設定 説明 推奨場面
Everyone(公開) 誰でも閲覧可能 論文、所属機関、学歴
Trusted parties 連携サービスのみ閲覧可能 メールアドレス、詳細情報
Only me(非公開) 本人のみ閲覧可能 個人的なメモ、下書き

注意: ORCID iD自体は常に公開されます。非公開にできるのはプロフィール内の各項目です。

ORCID活用のベストプラクティス

項目 推奨アクション
論文投稿時 投稿システムでORCIDを認証接続
出版後 DOIで業績を自動取得
助成金申請 ORCIDから業績リストをエクスポート
所属変更時 新所属を追加、旧所属に終了日を設定
署名欄 メール署名にORCID iDを記載
名刺 ORCID iDまたはQRコードを印刷
山田太郎 / Taro Yamada, Ph.D.
准教授 / Associate Professor
東京大学大学院 工学系研究科
ORCID: https://orcid.org/0000-0001-2345-6789

よくある質問(FAQ)

Q: ORCIDは無料ですか?

A: はい、研究者個人の登録・利用は完全に無料です。機関向けのメンバーシップは有料ですが、個人利用者には影響しません。

Q: 複数のORCIDを持つことはできますか?

A: いいえ、1人につき1つのORCID iDのみ保有できます。重複登録した場合は、アカウントを統合する必要があります。

Q: 退職後もORCIDは使えますか?

A: はい、ORCIDは個人に紐づくため、所属機関を離れても継続して使用できます。所属情報に終了日を追加するだけです。

Q: 日本語名で登録できますか?

A: はい、「Published name」に英語名、「Also known as」に日本語名を登録できます。

Editverse Japanのサポート

Editverse Japanでは、論文投稿時のORCID認証サポート、業績情報の整理、国際ジャーナルへの投稿支援を提供しています。研究者としてのプレゼンス向上をお手伝いします。

公費・研究費でのご利用

見積書を発行いたします

科研費・AMED・JST等の公的研究費でお支払いいただけます。ご依頼前に見積書、納品時に納品書(貴機関の検収手続にそのままご利用いただけます)、検収後に請求書を発行いたします。請求書の宛名のご指定にも対応いたします。

お支払いは初稿をご確認いただいたあとで結構です。事前のお振込は不要です。機関請求書払いのお支払い期限は、請求書発行日から60日以内といたします。

見積書の発行を依頼する → 公費でのお支払いについて →

関連記事

論文投稿・出版サポートの詳細を見る →

類似投稿

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です