科研費申請書の書き方|令和9年度の変更点と締切【2026年版】
科研費(科学研究費助成事業)の申請書作成でお悩みではありませんか?「研究計画の書き方がわからない」「何度出しても不採択になる」という声をよく耳にします。本記事では、科研費申請書の書き方を基礎から解説し、採択率を高めるための7つのポイントをご紹介します。
令和9年度(2027年度)科研費公募|2026年10月1日更新
応募締切(受付終了):令和8(2026)年9月17日(木)午後4時30分
公募開始は2026年7月14日、科研費電子申請システムの稼働開始は2026年7月22日です。令和9年度公募の応募受付は、この締切をもって終了しました。令和10年度公募の日程は、日本学術振興会の発表をご確認ください。
最重要:JSPSの締切は「あなたの締切」ではありません
JSPSの応募締切(令和9年度公募では9月17日(木)午後4時30分)は、研究機関が日本学術振興会(JSPS)へ応募書類を送信する期限です。研究者本人は「所属する研究機関が指定する期日までに」機関へ提出する必要があり、直接、日本学術振興会へ提出(送信)することはできません。
学内締切はJSPS締切より8〜10日ほど早く設定されるのが一般的で、令和9年度公募では9月8日前後を学内締切と想定して逆算するのが目安です(機関によって異なります)。執筆計画を立てる前に、まず所属機関の研究支援窓口で学内締切日を確認してください。
令和9年度公募の主な変更点
日本学術振興会が令和9年度公募で公式に示した変更点は、次の4点です。いずれも申請書の書き方そのものに影響します。
変更点① 公募スケジュール
公募開始・電子申請システムの稼働・応募締切の日程が変更されました。令和9年度は7月14日公募開始、7月22日システム稼働、9月17日午後4時30分締切です。
変更点② 挑戦的研究(萌芽)と基盤研究(C)の重複応募・受給制限を緩和
39歳以下の研究者について、挑戦的研究(萌芽)と基盤研究(C)の重複応募・受給制限が緩和されました。年齢は採択年度の4月1日現在、すなわち2027年4月1日時点で判定されます。応募時点の年齢ではない点にご注意ください。
変更点③ 挑戦的研究(開拓)の審査方式変更
合議審査を廃止し、事前選考を経て2段階の書面審査を行う方式に変更されました。公募要領には「合議審査は行いません」と明記されています。合議の場で補足される余地がなくなるため、申請書の記述だけで評価が決まります。書き方の完成度が従来以上に問われる変更です。
変更点④ 挑戦的研究(萌芽)から(開拓)への接続強化
挑戦的研究(開拓)への応募時に「過去の挑戦的研究(萌芽)からの発展」を申告するWeb入力項目が新設されました。あわせて「研究計画最終年度前年度応募」が導入されています。
新設された学術的「問い」欄(全角500字以内)
令和9年度公募から、応募情報のWeb入力項目に学術的「問い」を記入する欄が新設されました。仕様を正確に押さえておきましょう。
- 文字数は全角500字以内です。JSPSの英文資料では「up to 500 double-byte characters or up to 1000 single-byte characters」と表記されていますが、これは同じ上限を全角・半角の2つの単位で言い換えたものです。500字から1,000字の幅がある、という意味ではありません。
- 対象は基盤研究(A・B・C)と若手研究のみです。挑戦的研究は対象外です。
- 任意入力です。
- 申請書PDFには出力されません。
- 「審査には使用しません」と明記されています。
- 採択された場合に限り、KAKEN(科学研究費助成事業データベース)で公開されます。
審査に使われない任意項目のため後回しにされがちですが、採択後には公開される項目です。また、研究の核心を500字で言い切る作業は、申請書本文の「研究目的」の焦点を絞る訓練としてそのまま役立ちます。本文に取りかかる前に一度書いてみることをおすすめします。
科研費とは?基本を理解する
科研費(KAKENHI)は、日本学術振興会(JSPS)が運営する日本最大の競争的研究資金です。大学や研究機関に所属する研究者が、独創的・先駆的な研究を行うための資金を申請できます。
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科研費の特徴
- 申請総数: 令和7年度(2025年度)の新規応募は95,482件(日本学術振興会が集計する主要研究種目の合計)
- 採択率: 令和7年度(2025年度)27.2%(新規採択25,931件)。令和3〜7年度は27.2〜28.6%の範囲で推移
- 審査方式: ピアレビュー(研究者による審査)
- 申請時期: 令和9年度公募は2026年7月14日開始、2026年9月17日午後4時30分締切(受付終了)。令和10年度公募の日程は日本学術振興会の発表をご確認ください

読み方:2016年度以降、新規応募は約9万〜10.4万件、採択率は24.9〜28.6%の範囲で推移しています。2025年度は95,482件の応募に対して25,931件が採択され、採択率は27.2%でした。このグラフは、日本学術振興会が「主要な研究種目」として集計した値(特別推進研究、学術変革領域研究、基盤研究、挑戦的研究、若手研究、研究活動スタート支援、国際共同研究加速基金など)で、下の種目別の数値とは集計範囲が異なります。
科研費の種目別特徴と選び方
| 種目 | 対象 | 金額 | 採択率目安 |
|---|---|---|---|
| 基盤研究(S) | 大規模研究 | 5,000万〜2億円 | 11.4%(令和8年度実績) |
| 基盤研究(A) | 大型研究 | 2,000万〜5,000万円 | 24.0%(令和8年度実績) |
| 基盤研究(B) | 中型研究 | 500万〜2,000万円 | 24.9%(令和8年度実績) |
| 基盤研究(C) | 小型研究 | 〜500万円 | 25.9%(令和8年度実績) |
| 若手研究 | 博士の学位取得後8年未満 | 〜500万円 | 40.1%(令和8年度実績) |
令和8年度(2026年度)の新規採択実績では、基盤研究(C)は応募47,969件に対し採択12,419件で採択率25.9%、若手研究は応募14,771件に対し採択5,928件で採択率40.1%でした(前年度の令和7年度は基盤研究(C)27.4%、若手研究40.2%)。出典は日本学術振興会「科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和8年度 新規採択分)」(令和8年8月現在)です。

読み方:挑戦的研究(萌芽)の新規採択率は、前年度(3月時点)の12.2%(応募9,001件・採択1,100件)から、令和8年度(8月時点)の22.2%(応募9,561件・採択2,118件)に上昇しています。基盤研究(A)〜(C)は前年度より1.5〜2.1ポイント低く、若手研究はほぼ横ばい(40.2%→40.1%)です。上昇・低下の要因は公表資料からは確認できないため、公募要領で審査方式や募集区分の変更を合わせて確認してください。令和8年度の数値は8月時点で、今後変動する可能性があります。
| 種目 | 令和7年度 応募 | 令和7年度 採択 | 令和7年度 採択率 | 令和8年度 応募 | 令和8年度 採択 | 令和8年度 採択率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 基盤研究(S) | 568 | 69 | 12.1% | 606 | 69 | 11.4% |
| 基盤研究(A) | 2,468 | 643 | 26.1% | 2,548 | 612 | 24.0% |
| 基盤研究(B) | 12,312 | 3,290 | 26.7% | 13,155 | 3,281 | 24.9% |
| 基盤研究(C) | 46,497 | 12,756 | 27.4% | 47,969 | 12,419 | 25.9% |
| 挑戦的研究(開拓) | 1,664 | 184 | 11.1% | 1,749 | 182 | 10.4% |
| 挑戦的研究(萌芽) | 9,001 | 1,100 | 12.2% | 9,561 | 2,118 | 22.2% |
| 若手研究 | 13,883 | 5,585 | 40.2% | 14,771 | 5,928 | 40.1% |
表:新規応募・新規採択(補助金分・基金分)。令和7年度は前年度3月時点の実績、令和8年度は令和8年8月現在。出典:日本学術振興会「科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和8年度 新規採択分)」。
若手研究の応募資格は年齢ではなく、博士の学位取得後8年未満であることです。令和9年度公募では2027年4月1日現在で判定され、同日までに博士の学位を取得する予定の方や、産前産後の休暇・未就学児の養育期間を考慮すると8年未満となる方も含まれます。「39歳以下」は挑戦的研究(萌芽)と基盤研究(C)の重複制限緩和の対象年齢であり、若手研究の応募資格ではありません。
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種目ごとの様式番号を間違えない
応募内容ファイルの様式番号は種目ごとに決まっています。ダウンロード時と作成時に、種目と様式番号の対応を必ず確認してください。
| 種目 | 応募内容ファイルの様式番号 |
|---|---|
| 基盤研究(A) | 様式S-12 |
| 基盤研究(B) | 様式S-13 |
| 基盤研究(C) | 様式S-14 |
| 若手研究 | 様式S-21 |
| 挑戦的研究(開拓) | 様式S-41-1・様式S-41-2 |
| 挑戦的研究(萌芽) | 様式S-42-1・様式S-42-2 |
表記上の注意:様式番号は「様式S-13」のように、省略せず必ず「様式」を付けて書いてください。「S-13」とだけ書くと、種目の基盤研究(S)や、審査区分の中区分13(物性物理学)と読み違えられます。学内の事務手続きや共同研究者とのやり取りで、実際に取り違えが起きやすい箇所です。
また、様式番号は審査区分ではありません。基盤研究(B)・基盤研究(C)・若手研究で実際の審査単位となるのは、5桁の数字で示される小区分です。応募時にはこの小区分の選択が採否を大きく左右します。上表に挙げていない種目の様式番号は、日本学術振興会の公募要領でご確認ください。
公募ページの見方|公募要領と様式を入手する5つの手順【画面つき】
令和9年度の公募は2026年9月17日に終了しましたが、研究計画調書を作る前に必ず開くのは、日本学術振興会(JSPS)の公募ページです。ここでは令和9年度の公募ページの画面に番号を付けて、どこから何を入手するかを5つの手順で示します。公募ページの構成は年度ごとに変わることがあるため、令和10年度の公募が始まったら、最新のページで確認してください。
手順① e-Radで研究者情報を確認する

画面の見方:赤枠①は、e-Rad(府省共通研究開発管理システム)へのリンクです。公募ページには、研究計画調書の作成を行う前に、必ずe-Radで研究者情報登録の確認を行うよう記載されています(詳細は令和9年度の公募要領27頁)。
手順② 公募期間と提出期限を確認する

画面の見方:赤枠①が公募期間(2026年7月14日〜9月17日午後4時30分)、②が応募書類の提出(送信)期限(9月17日午後4時30分)です。科研費電子申請システムは7月22日から利用できました。②は研究機関から日本学術振興会への送信期限なので、所属機関の学内締切はこれより前に設定されるのが一般的です。
手順③ 公募要領・別冊・審査区分表を入手する

画面の見方:赤枠①は公募要領(日本語版PDF)、②は別冊(応募書類の様式・記入要領、日本語版PDF)、③は審査区分表(別表2)です。英語版の公募要領・別冊も同じ欄に掲載されています。審査区分表は、応募する小区分を選ぶときに使います。
手順④ 科研費電子申請システムでWeb入力項目を作る

画面の見方:研究計画調書は、科研費電子申請システムに入力する「Web入力項目」と、指定の様式で作成する「添付ファイル項目」の2つで構成されます。赤枠①は科研費電子申請システム(外部サイト)へのリンク、②はWeb入力項目の作成・入力要領(PDF)です。
手順⑤ 添付ファイル項目の様式(Word)をダウンロードする

画面の見方:赤枠①は基盤研究(C)の様式S-14、②は若手研究の様式S-21のWord版です。種目ごとに様式番号が異なるため、上の「種目ごとの様式番号を間違えない」の表と照らして選んでください。
※画面は、手順の解説のために日本学術振興会の公開ページの該当箇所を切り取り、赤枠と番号を加えたものです。出典:令和9(2027)年度 基盤研究(A・B・C)、挑戦的研究、若手研究の公募について(日本学術振興会、2026年10月10日確認)。
採択される申請書の7つのポイント
ポイント① 研究目的を明確に
「何を」「なぜ」「どのように」研究するのかを、冒頭で端的に述べます。審査員は多数の申請書を読むため、最初の数行で研究の意義が伝わらなければ不利になります。
ポイント② 学術的問いを設定する
単なる作業計画ではなく、学術的な「問い」を設定しましょう。「○○は何か?」「なぜ○○が起こるのか?」という形で問いを立て、その答えを探求する構成にします。令和9年度からは、基盤研究(A・B・C)と若手研究の応募情報に学術的「問い」を全角500字以内で記入する任意欄が新設されました(審査には使用されません)。この欄の記入は、本文の問いを研ぎ澄ます下書きとして活用できます。
ポイント③ 独自性・新規性を強調
既存研究との違い、本研究ならではの特色を明確に示します。「世界初」「日本初」「独自に開発した」などの表現を適切に使用します。
ポイント④ 実現可能性を示す
研究計画が実行可能であることを示すために、以下を明記します:
- 予備実験・予備調査の結果
- これまでの関連研究実績
- 研究環境・設備の整備状況
ポイント⑤ 図表を効果的に使う
研究の概念図、フローチャート、予備データのグラフなどを挿入し、視覚的に理解しやすい申請書を作成します。
ポイント⑥ 審査基準に沿った構成
科研費の審査基準は公開されています。各基準に対応する内容を明確に記載しましょう。
ポイント⑦ 分かりやすい日本語で書く
専門外の審査員にも理解できるよう、論理的で読みやすい文章を心がけます。
あわせて読みたい:科研費に不採択だったら|開示の読み方と再申請の判断
申請スケジュールの逆算表(令和9年度公募の例)
下表は、令和9年度公募の日程をもとに、学内締切を9月8日前後と想定した逆算の例です。令和10年度公募では、日本学術振興会が発表する日程と所属機関の学内締切に置き換えてご利用ください。
| 時期 | 作業内容 |
|---|---|
| 7月14日〜7月下旬 | 公募要領の公表(2026年7月14日)。研究アイデアの整理と種目の選定。電子申請システムは7月22日に稼働 |
| 8月上旬〜中旬 | 申請書の骨子作成。あわせて研究支援窓口で学内締切日を確認 |
| 8月下旬 | 申請書第1稿の完成。第三者レビュー・添削の依頼(納期7〜10営業日を見込む) |
| 9月上旬(学内締切) | 指摘を反映して修正・推敲。学内締切(多くの機関で9月8日前後)までに所属機関へ提出 |
| 9月17日(木)16:30 | 研究機関から日本学術振興会への送信期限(厳守)。研究者が直接送信することはできません |
あわせて読みたい:科研費 提出前チェックリスト|e-Rad・重複制限・様式の落とし穴
専門家によるサポートを活用する
研究費申請支援
科研費申請書添削
研究目的・意義の明確化、研究計画の論理的整合性、独創性の表現、予算計画の妥当性まで、審査基準に沿って添削します。基盤研究(S・A・B・C)、若手研究、挑戦的研究(開拓・萌芽)、国際共同研究など全種目に対応。
納期の目安:通常7〜10営業日。締切直前は3営業日での対応も可能です(追加料金)。
次回(令和10年度)公募に向けて:令和9年度公募は2026年9月17日に締め切られました。学内締切はJSPS締切より8〜10日早く設定されることが多いため、日程が発表されたら、まず学内締切日をご確認ください。
¥49,800
令和9年度公募向けの添削受付は終了しました
令和9年度公募のJSPS締切(2026年9月17日(木)16:30)を過ぎたため、同公募向けの添削受付は終了しています。
現在は、学振(DC1・DC2・PD)やAMED・JSTの申請書添削、また令和10年度公募に向けた早期のご相談を承ります。
ご相談には24時間以内に回答します。
学振特別研究員(DC1・DC2・PD)やAMED・JSTの申請書についても、同様に添削を承っています。
- 学振申請書添削(JSPS)|¥39,800 — DC1・DC2・PDの研究計画書に対応
- AMED・JST申請支援|¥69,800 — 大型研究費の申請書添削・研究倫理確認
科研費申請書の添削を専門家に依頼することで、客観的な視点からの改善点が見つかります。EditVerse Japanでは、採択経験を持つアドバイザーが、審査基準を熟知した視点から申請書を徹底改善します。
公費・研究費でのご利用
見積書を発行いたします
科研費・AMED・JST等の公的研究費でお支払いいただけます。ご依頼前に見積書、納品時に納品書(貴機関の検収手続にそのままご利用いただけます)、検収後に請求書を発行いたします。請求書の宛名のご指定にも対応いたします。
お支払いは初稿をご確認いただいたあとで結構です。事前のお振込は不要です。機関請求書払いのお支払い期限は、請求書発行日から60日以内といたします。
データの出典(日本学術振興会)
- 科研費データ(日本学術振興会):応募件数・採択件数・採択率の推移、配分状況一覧
- Trends in KAKENHI Applications, Adoptions, and Adoption Rate(PDF):図1の出典(令和8年3月30日更新)
- 科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和8年度 新規採択分)(PDF):図2・表の出典(令和8年8月現在)
- 科研費(補助金分・基金分)配分状況一覧(令和7年度 新規採択分)(PDF):令和7年度の確認用(令和8年3月現在)
上記の数値は2026年10月10日に日本学術振興会の公開資料で確認しました。最新の数値は各資料でご確認ください。