PubMedで「Systematic Review」「Scoping Review」の出版タイプと、タイトルに「narrative review」を含む論文の年別件数(2000〜2025年)。タイトルに「narrative review」を含む論文は2000年に2件、2010年に76件、2020年に1,707件、2025年に6,633件。

ナラティブレビュー(総説)の書き方|検索の記述・構成・SANRA

ナラティブレビュー(narrative review)は、事前に登録した厳密なプロトコルに従わずに文献をまとめる総説です。ただし、非公式でよいという意味ではありません。SANRA(ナラティブレビューの質評価尺度)を作った編集者たちは、次の6点を見ます。読者にとってなぜ重要か、具体的な目的や問い、文献をどう探したかの記述、重要な記述への文献の裏付け、論旨を支える根拠、データの適切な提示です[1]。本記事では、この6点を書く順に沿って、系統的でない検索の書き方、ナラティブレビューが受けやすい批判、系統的レビュー・スコーピングレビューとの違いを説明します。実例として、実際のPubMed検索を、ナラティブレビューの検索の記述として書き起こします。

本記事は「ナラティブレビューをどう書くか」を扱います。系統的レビューの手順はシステマティックレビューとは?やり方を8ステップで解説、結果の統合はメタアナリシスとは?、PRISMAによる報告はPRISMA声明、スコーピングレビューの手順はスコーピングレビューのやり方、文献レビューをどこまで依頼してよいかは文献レビュー執筆支援|どこまで依頼してよいかで扱っています。

ナラティブレビューとは何か、何ではないか

Baethgeらは、ナラティブレビューを「明示的に系統的ではない形で文献をまとめる試み」の意味で用いています[1]。Greenhalghらは、ナラティブレビューを「要約に、解釈と批評を加えた学術的なまとめ」と説明し、系統的でないことは場当たり的・不注意という意味ではなく、目的・方法・文脈に応じて系統的に実施し提示することもできると述べています[2]。さらに、ナラティブレビューと系統的レビューは、優劣ではなく、補完的になりうる別の形の学術活動だと論じています[2]。一方で、同じ論文は、ナラティブレビューが自説に都合のよい根拠だけを選んでしまう(cherry-pick)という批判は正当だと認めています[2]。著者の仕事は、この批判を成り立ちにくくすることです。

ナラティブレビュー 系統的レビュー スコーピングレビュー
典型的な問い 広い、または解釈を伴うテーマ。ただしSANRAは具体的な目的や問いを求めます 狭く絞り、事前に定めた問い あるテーマのエビデンスの地図(概念、理論、情報源、知識の空白)を描く
検索 規定なし。ただしSANRAは検索の明記(検索語、文献の種類)を評価します 事前に定めた構造化された方法で、検索・選別・選択・評価・要約する 系統的な方法
報告ガイドライン PRISMAに相当する定着した報告ガイドラインは、本記事で参照した資料には示されていません。SANRAは評価尺度であり、報告ガイドラインではありません PRISMA 2020(27項目のチェックリスト) PRISMA-ScR(必須20項目と任意2項目)
詳しくは 本記事 システマティックレビューの解説、PRISMA声明 スコーピングレビューのやり方

表の出典:ナラティブレビューの定義と「報告ガイドラインではない」という記述はBaethgeら[1]、系統的レビューの定義はGreenhalghら[2]、スコーピングレビューとPRISMA-ScRの項目数はTriccoらの抄録[6]、PRISMA 2020のチェックリストはPageらの抄録[7]によります。Grant & Booth[5]は14種類のレビューを分析し、方法が明確に規定されたレビュー種別は少なく、互いに排他的でないものが多いと述べています(抄録)。そのため、ジャーナルによって用語の使い方が重なる場合があります。

実務上の注意が1つあります。系統的な方法を使っていないレビューのタイトルに「systematic」を入れないでください。また、作業量を避けるために、系統的レビューを「ナラティブ」と呼ぶのも避けてください。ジャーナルや査読者は、ラベルを方法と照らして読みます(Editverseの編集上の助言です)。

最初に、範囲と問いを決める(SANRA項目1・2)

項目1は、そのジャーナルの読者にとっての重要性が示されているかを問います。評価の説明では、臨床上の問題と、未解決の問いやエビデンスの空白がどの程度示されているかを見るとされています[1]。項目2は、具体的な目的や問いがあるかを問います。目的が一般的で具体的でなければ1点、1つ以上の具体的な目的や問いがあれば2点です[1]。

次の型が使いやすい書き方です(ジャーナルの規則ではなく、Editverseの編集上の助言です)。

  1. 問題と、このレビューを必要とする読者を1文で書く。
  2. 空白(何が不明確か、争いがあるか、分野をまたいで散らばっているか)を1文で書く。
  3. 答えられる問いの形で目的を1文で書く。例:「本稿は、Yにおけるxについて何が分かっているか、エビデンスが最も弱いのはどこかをまとめる」。
  4. 範囲を1文で書く。対象に含めるもの(テーマ、対象集団や状況、年代、文献の種類)と含めないもの。

この段階で、レビューの種類も決めてください。読者が統合した推定値や狭い問いへの答えを必要とするなら、系統的レビューが向いています。存在する研究の全体像を描くことが目的なら、スコーピングレビューを検討します。広いテーマを説明し、解釈し、批評することが目的なら、ナラティブレビューが向いています。

系統的でなくても、文献検索を書く(SANRA項目3)

ナラティブレビューが最も点を落としやすいのが項目3です。SANRAの説明は、最高点に必要な条件を示しています。系統的レビューほど詳しく書く(複数のデータベース、検索履歴の正確な記載、フローチャートなど)必要はありませんが、検索語と、対象とした文献の種類を明記する必要があります。検索に簡単にしか触れていない原稿は1点、方法に触れていない原稿は0点です[1]。

短い「文献検索」の段落に、次の要素を入れておくと安心です(SANRA項目3に基づくEditverseの編集上のチェックリストです)。

要素 書き方の例
情報源 PubMed。加えて、主要論文とガイドラインの参考文献リスト
検索語 実際の検索語または検索式を、表または補足資料で示す
日付 最終検索日と、対象とした発行年の範囲
言語と文献の種類 例:英語と日本語。試験、コホート研究、ガイドライン、レビュー
文献の選び方 適用した基準。例:「ランダム化試験と最新のガイドラインを優先し、古い論文は基本文献として残した」
選んだ人 誰が選別し判断したか(隠さず、限界として書く点です)

PRISMA-S(Rethlefsen 2021)は、系統的レビューとその関連するレビューで、文献検索の報告に使う16項目のチェックリストです[8]。ナラティブレビューがこれを満たす必要はありませんが、検索の方法と情報源を明確で再現可能な形で報告するには何が加わるかを示す参考になります(抄録)。

検索を明記したナラティブレビューの実例として、Gasparyanら(2011)の論文があります。ナラティブな生物医学レビューの書き方を扱った論文で、MEDLINE、EMBASE、Scopus、Web of Scienceを、あらかじめ示したキーワードで検索したと報告し、さらに、意見は著者・査読者・編集者としての個人的な経験にも基づくと述べています[3](抄録)。検索と専門性の役割の両方を示す透明性は、SANRA項目3が評価するものです。

文例(調整してお使いください。そのままの転用は避けてください)

2026年〇月〇日に、PubMedを〔検索語〕で検索した。対象は〔年代〕、〔言語〕とした。〔文献の種類〕を対象とし、タイトルと抄録は著者自身が選別した。同じ問いを扱う研究が複数ある場合は〔基準〕を優先した。主要論文の参考文献リストからも追加の文献を特定した。本稿はナラティブレビューであるため、検索は網羅的ではなく、正式な質評価も行っていない。文献の選択は著者の判断を反映しており、関連する研究が漏れている可能性がある。

実例:実際のPubMed検索を書き起こす

次の図は、この記事自身の検索を、項目3が求める形で書き起こしたものです。問いは記述的です。PubMedの収載記録のうち、「Systematic Review」「Scoping Review」「narrative review」というラベルを持つものは、年ごとにどれだけあるか、です。

検索記録。PubMed、E-utilitiesのesearch[10]、取得日2026年10月8日(UTC)、出版日(datetype=pdat)で集計、1年ずつ2000〜2025年。検索式は、入力したとおりに次のとおりです。

  • "Systematic Review"[pt](出版タイプ)
  • "Scoping Review"[pt](出版タイプ)
  • "narrative review"[ti](タイトル中のフレーズ)
  • all[sb](PubMedの全収載記録。分母として使用)

件数は、PythonとRの2通りで2回取得し、4つの検索式×26年の全値が一致しました。Rのコードは次のとおりです。

pm_count <- function(query, year) {
  u <- paste0("https://eutils.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/eutils/esearch.fcgi?db=pubmed&retmode=json&rettype=count",
              "&datetype=pdat&mindate=", year, "&maxdate=", year,
              "&term=", utils::URLencode(query, reserved = TRUE))
  Sys.sleep(0.6)                      # E-utilitiesのレート制限を超えないため
  as.integer(jsonlite::fromJSON(u)$esearchresult$count)
}
yrs <- 2000:2025
nr  <- vapply(yrs, function(y) pm_count('"narrative review"[ti]', y), integer(1))
all <- vapply(yrs, function(y) pm_count("all[sb]", y), integer(1))
round(nr / all * 1e4, 2)[c(1, 26)]   # PubMed全収載記録1万件あたり

結果(Rの出力、2026年10月8日取得)。

出版年 “Systematic Review”[pt] “Scoping Review”[pt] “narrative review”[ti] PubMed全収載記録
2000 1,413 0 2 532,637
2010 5,286 21 76 942,371
2019 24,877 1,417 954 1,418,996
2020 30,325 2,320 1,707 1,641,214
2025 43,787 7,589 6,633 1,881,986
PubMedで「Systematic Review」「Scoping Review」の出版タイプと、タイトルに「narrative review」を含む論文の年別件数(2000〜2025年)。タイトルに「narrative review」を含む論文は2000年に2件、2010年に76件、2020年に1,707件、2025年に6,633件。
図1. PubMedにおけるレビュー関連ラベルの年別件数。左(A):3つのラベルの年別件数(縦軸は対数)。右(B):タイトルに「narrative review」を含む論文(2000年に2件、2010年に76件、2020年に1,707件、2025年に6,633件)。(データ: PubMed E-utilities、2026年10月8日取得、R 4.3.3)© editverse.com

図の読み方:タイトルに「narrative review」を含む論文は、2000年の2件から2025年の6,633件に増えました。ただし、これはラベルの件数であり、ナラティブレビューの質や、ナラティブレビューの総数を示すものではありません。

数字の読み方(すべて上の表から計算した値です)。

  • タイトルに「narrative review」を含む論文は、2019年の954件から2025年の6,633件へ、約6.95倍になりました。
  • PubMed全収載記録1万件あたりでは、2000年が0.04、2025年が35.24です。PubMed自体の増加(2000年532,637件、2025年1,881,986件)だけでは説明できない増え方です。
  • 「Systematic Review」[pt]は1,413件(1万件あたり26.53)から43,787件(同232.66)へ増えました。「Scoping Review」[pt]は2000〜2004年が0件、2005年が1件で、2025年に7,589件(2024年は7,698件)でした。

この例の限界です。実際のナラティブレビューの本文にも、同じ種類の限界を書いておく必要があります。

  1. 3つの検索式が数えるのはラベルであり、レビューの質ではなく、ナラティブレビューの件数でもありません。多くの系統的でないレビューは、タイトルに「narrative review」と書きません。図1のBは、その呼び方を使う著者の下限であって、系統的でないレビューすべての件数ではありません。
  2. NLMは、出版タイプのデータは出版社が提供するか、MEDLINEの索引付けの過程で付与されるため、索引付けが終わっていない記録はフィルタから漏れることがあると説明しています[9]。そのため、最新の2025年は未完了の可能性があります。「Scoping Review」[pt]の2025年(7,589件)が2024年(7,698件)を下回っているのは、実際の減少よりも索引付けの遅れの可能性が高いと考えられます(これは解釈であり、検証していません)。
  3. PubMedの「Systematic Review」フィルタは、出版タイプに加えて検索戦略を用いています[9]。本記事の"Systematic Review"[pt]は出版タイプのみの検索式であるため、件数はフィルタの件数とは異なります。
  4. 「narrative review」というラベルの増加は、記述したにとどまり、説明したものではありません。この件数だけでは、著者がなぜこの語を使うことが増えたのかは分かりません。

論旨を組み立てる:論文の羅列にしない(SANRA項目4〜6)

ナラティブレビューで最も多い弱点は、論文を1本ずつ紹介していく構成です。SANRAの項目4〜6が、その代わりの形を示しています[1]。

  • 文献の裏付け(項目4)。論旨に不可欠な重要な記述は、ほとんどすべての場合に文献で裏付けます。異論の少ない記述は例外として扱えます。
  • 科学的な論拠(項目5)。主要な論点には根拠を示し、研究デザイン(ランダム化比較試験、質的研究など)と、利用できる場合にはエビデンスのレベルを書きます。
  • データの提示(項目6)。関連するアウトカムのデータを正しく示します。この項目が例に挙げているのは、絶対リスクと相対リスクの区別と、信頼区間を添えるべき効果量です(信頼区間の解釈を参照)。

これを支える構成の例です(Editverseの編集上の助言です)。

  1. はじめに:重要性、空白、目的、範囲(前述)。
  2. 文献検索:前述の段落。
  3. テーマ別の節:論文ごとではなく、問いや概念ごとに整理します。各節は主張から始め、デザインと規模を示した裏付けとなる根拠、続いて相反する根拠を書きます。
  4. 統合:一致している点、争いのある点、分かっていない点。論文の羅列に欠けているのはこの部分であり、レビューを自分のものにする部分です。
  5. 限界:文献の選び方、言語、年代の範囲、選んだ人。
  6. 結論:目的に結びつけて書きます。

主要な研究の要約表(デザイン、状況、区間つきの主な結果)は、項目5と6を同時に満たす最も簡単な方法のことが多いです。Green(2006)は、ナラティブな総説のための「ベストエビデンス・シンセシス」の手順を段階的に解説し、批判的吟味のワークシートを付けています[4](抄録)。より構造的な選び方を望む場合の参考になります。引用の形式は参考文献・引用の書き方、抄録は論文アブストラクトの書き方をご覧ください。

SANRAで自己チェックする

SANRA(Scale for the Assessment of Narrative Review Articles)は6項目で、各項目を0点(低い水準)、1点、2点(高い水準)で評価し、最高は12点です[1]。次の表は、オープンアクセス論文(CC BY 4.0)の図1に示された評価基準を、言い換えて示したものです。

項目 0点 1点 2点 投稿前の確認
1. 読者にとっての重要性の説明 示されていない ほのめかしているが明示していない 明示されている 1段落目で読者と問題を書く
2. 具体的な目的や問い ない 一般的で具体的でない 1つ以上の具体的な目的や問いがある 目的を問いの形で書く
3. 文献検索の記述 示されていない 簡単に記述している 検索語と選択基準を含め詳しく記述している 検索の段落を加える(前述)
4. 文献の裏付け 重要な記述に裏付けがない 一貫していない 重要な記述が裏付けられている 論旨が依存する記述をすべて確認する
5. 科学的な論拠 適切な論拠に基づいていない 適切な根拠が選択的に示されている 適切な根拠が全般的にある 主要な研究のデザインとエビデンスのレベルを書く
6. データの適切な提示 不適切 最適な方法で示されないことが多い 関連するアウトカムのデータが全般的に適切に示されている 絶対リスクと相対リスク、効果量には区間を添える

検証研究の結果です(Baethge 2019。1つの総合医学雑誌 Deutsches Ärzteblatt に投稿された、系統的でない総説原稿の連続30本を、尺度の著者でもある3人の編集者が評価)[1]。

  • 合計点の平均は12点満点中6.0(SD 2.6、範囲1〜12)。項目別の平均が最も高かったのは文献の裏付け(1.25)、目的(1.14)、重要性(1.1)で、最も低かったのはデータの提示(0.81)、科学的な論拠(0.83)、文献検索の記述(0.84)でした。
  • Cronbachのα 0.68、評価者間の級内相関係数 0.77(95%信頼区間 0.57~0.88)。
  • 事後解析では、採択された原稿(n = 17)の平均は6.6、不採択の原稿(n = 13)は5.1でした(点双列相関 0.37、両側 p = 0.046)。著者らはこれを弱い事後的な所見と位置づけ、編集者は他の要素も考慮すると述べています。

使い方と、使ってはいけない使い方です。

  • これは、編集者・査読者・読者・著者のための評価の補助です。著者らは、確立されたカットオフはなく、異なる環境の点数を比べるのは賢明でないとし、経験上、4点以下は質が非常に低いと述べています[1]。
  • 報告ガイドラインではなく、形式的な基準のみを扱います。独創性、内容の正しさ、利益相反は評価しません[1]。
  • SANRAの点数が高くても、あなたの原稿の採択が予測できるわけではありません。採否はジャーナルが判断します。

尺度と評価の説明文書は著者が公開しており、オープンアクセス論文にそのリンクが載っています。本記事は説明文書を転載していません。

ナラティブレビューが受けやすい批判と、その備え

指摘 背景 対応
選択バイアス(都合のよい根拠だけを選んでいる) Greenhalgh[2]は、ナラティブレビューが根拠をcherry-pickしうることを認めている 検索と選択のルールを書く。自説に反する根拠も入れる。入れなかったものを書く
研究の羅列で統合がない SANRA項目5[1]。Greenhalghは、要約に解釈と批評を加えたものとして説明[2] テーマ別に整理し、一致・争い・空白を述べる統合の節を加える
方法が書かれていない SANRA項目3(方法に触れていなければ0点)[1] 検索の段落と日付を加える
重要な主張に文献がない SANRA項目4[1] 論旨が依存する記述すべてに文献をつける
数値に文脈がない SANRA項目6(相対リスクと絶対リスク、区間のない効果量)[1] 絶対効果と相対効果を、信頼区間とともに示す
なぜこのレビューが必要か、何に答えるのかが不明 SANRA項目1・2[1] はじめにを、問題・空白・目的・範囲の順に書き直す
系統的な方法なしで系統的レビューと呼んでいる(またはその逆) 編集上の助言。ラベルは方法と照らして読まれる タイトルを実施した内容に合わせる。プロトコルとPRISMA型の検索を行った場合は、系統的レビューの解説を参照

ジャーナルによって扱いは異なります。Greenhalghらは、主要な医学ジャーナルが専門家による執筆のナラティブレビューを定期的に掲載している一方、明示的なナラティブレビューの方法論(解釈学的、リアリスト、メタナラティブ)に基づくレビューを「系統的でない」として編集者が却下する例も見たと報告しています[2]。着手する前に、投稿先が受け付けるレビューの種類と語数制限を確認してください(論文投稿規程の読み方)。報告ガイドラインの選び方はEQUATORネットワークで最適な報告ガイドラインを選ぶ方法をご覧ください。

ナラティブ、スコーピング、系統的:どれを選ぶか

  • 広いテーマを専門家の読者に向けて説明し、批評したい:ナラティブレビュー。検索の段落を書き、SANRAをチェックリストとして使います。
  • 存在する研究、その概念や空白を地図にしたい:スコーピングレビュー(PRISMA-ScR)。スコーピングレビューのやり方をご覧ください。
  • 狭い問いに再現可能な答えを出したい(統合した結果を含む場合もあります):系統的レビュー(PRISMA 2020)。該当する場合は登録したプロトコルを用います。システマティックレビューの解説、PubMed検索式の作り方、メタアナリシスの解説をご覧ください。

範囲、採用する文献、証拠の意味づけを決めるのは、著者です。その周辺の作業で、サポートがお役に立ちます。

Editverse Japanは、原稿の構成の整理、検索記録からの検索の記述の文面づくり、SANRAや該当する報告ガイドラインに沿った確認、英文校正と体裁調整でサポートします。1原稿あたり、採択まで追加料金なしでサポートを継続します(採否はジャーナルが判断します)。

まとめ

  • ナラティブレビューの信頼は、プロトコルではなく、透明性で得られます。なぜ重要か、何に答えるのかを示してください。
  • 文献をどう探したか(検索語、情報源、日付、文献の種類)を書き、論旨が依存する主張に文献をつけ、データには区間を添えます。
  • 論文の羅列ではなく、統合で終えてください。
  • SANRAの6項目は投稿前のチェックに使えます。ただし、確立されたカットオフのない評価の補助です。
  • PubMedでは、タイトルに「narrative review」を含む論文が、2000年の2件から2025年の6,633件に増えています。編集者が多くのナラティブレビューを目にする中で、問いと方法の明確さが違いを生みます。

公費・研究費でのお支払い

機関や研究費(公費)でお支払いの場合の見積書・納品書・請求書を発行できます。詳しくは公費・研究費でのお支払いをご覧ください。ご相談と無料のお見積りは、無料見積もり・お問い合わせからお申し込みください。

関連記事

よくある質問

Q1. ナラティブレビューは、ジャーナルに受け入れられますか。
多くのジャーナルが掲載しています。Greenhalghらは、主要な医学ジャーナルが専門家による執筆のナラティブレビューを定期的に掲載していると述べ、ナラティブレビューは系統的レビューより劣るものではなく、補完的な形の学術活動だと論じています[2]。受け入れの方針はジャーナルごとに異なるため、投稿規程(Instructions for Authors)で受け付ける論文種別を確認してください。採否はジャーナルが判断します。

Q2. ナラティブレビューにPRISMAは必要ですか。
PRISMA 2020は系統的レビューの報告ガイドラインです[7]。PRISMAに相当する定着した報告ガイドラインは、本記事で参照した資料には示されていません。SANRAはナラティブレビューの評価尺度であって、報告ガイドラインではありません[1]。系統的レビューと名乗る場合は、PRISMAに従ってください。

Q3. 系統的でなくても、文献検索の方法は書く必要がありますか。
SANRAの項目3では、系統的レビューほど詳しく書かなくても、検索語と対象とした文献の種類を明記していれば最高点が得られます[1]。検索を明記することは手間が小さく、「文献の選び方に偏りがある」という指摘への備えにもなります。

Q4. SANRAは何点なら十分ですか。
確立されたカットオフはありません。著者らは、異なる環境で得た点数を比べることは勧められないとし、経験上、4点以下は質が非常に低いと述べています[1]。弱い項目を見つけるために使い、採否の予測には使わないでください。

Q5. Editverseにレビュー論文を書いてもらえますか。
構成の整理、検索の記述の文面づくり、SANRAや報告ガイドラインに沿った確認、英文校正・体裁調整でサポートします。どの文献を採用するか、解釈と結論は研究者ご自身が決めるものです。委託できる範囲は文献レビュー執筆支援|どこまで依頼してよいかで整理しています。

参考資料

PubMed収載文献(各レコードをNCBI E-utilitiesのesummaryで確認し、PMIDとDOIはPubMedの記載を転記しています。[1][2]は全文を、[3]〜[8]は抄録を確認しました)

  1. Baethge C, Goldbeck-Wood S, Mertens S. SANRA-a scale for the quality assessment of narrative review articles. Res Integr Peer Rev. 2019;4:5. doi:10.1186/s41073-019-0064-8. PMID: 30962953 (PMC6434870、CC BY 4.0)
  2. Greenhalgh T, Thorne S, Malterud K. Time to challenge the spurious hierarchy of systematic over narrative reviews? Eur J Clin Invest. 2018 Jun;48(6):e12931. doi:10.1111/eci.12931. PMID: 29578574 (PMC6001568、CC BY-NC 4.0)
  3. Gasparyan AY, Ayvazyan L, Blackmore H, Kitas GD. Writing a narrative biomedical review: considerations for authors, peer reviewers, and editors. Rheumatol Int. 2011 Nov;31(11):1409-17. doi:10.1007/s00296-011-1999-3. PMID: 21800117
  4. Green BN, Johnson CD, Adams A. Writing narrative literature reviews for peer-reviewed journals: secrets of the trade. J Chiropr Med. 2006 Autumn;5(3):101-17. doi:10.1016/S0899-3467(07)60142-6. PMID: 19674681 (PMC2647067)
  5. Grant MJ, Booth A. A typology of reviews: an analysis of 14 review types and associated methodologies. Health Info Libr J. 2009 Jun;26(2):91-108. doi:10.1111/j.1471-1842.2009.00848.x. PMID: 19490148
  6. Tricco AC, Lillie E, Zarin W, et al. PRISMA Extension for Scoping Reviews (PRISMA-ScR): Checklist and Explanation. Ann Intern Med. 2018 Oct 2;169(7):467-473. doi:10.7326/M18-0850. PMID: 30178033
  7. Page MJ, McKenzie JE, Bossuyt PM, et al. The PRISMA 2020 statement: an updated guideline for reporting systematic reviews. BMJ. 2021 Mar 29;372:n71. doi:10.1136/bmj.n71. PMID: 33782057
  8. Rethlefsen ML, Kirtley S, Waffenschmidt S, et al. PRISMA-S: an extension to the PRISMA Statement for Reporting Literature Searches in Systematic Reviews. Syst Rev. 2021 Jan 26;10(1):39. doi:10.1186/s13643-020-01542-z. PMID: 33499930

機関の情報源(2026年10月8日に閲覧)

  1. National Library of Medicine. PubMed User Guide(検索タグ [pt]、[dp]、[ti]、[sb]、出版タイプのデータと索引付け). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/help/
  2. National Library of Medicine. Entrez Programming Utilities Help(E-utilities). https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK25499/
  3. R 4.3.3、jsonlite(本記事の検索件数の取得と図の作成に使用)。

類似投稿

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です