研究不正(FFP)とは|捏造・改ざん・盗用を防ぐには
研究不正(research misconduct)は、研究公正に対する最も重大な違反を指し、多くの定義では捏造(fabrication)、改ざん(falsification)、盗用(plagiarism)に分類されます。捏造とは収集されていないデータを作り出すこと、改ざんとは実際のデータや結果をゆがめること、盗用とは他者の研究を無断で自分のものとして用いることです。これらの行為は、欺く意図を伴う点で誠実な過誤とは異なり、研究者のキャリアを終わらせ、論文撤回(retraction)を引き起こすおそれがあります。定義と警告のサインを理解しておくことは、研究者が自らの研究公正を守り、問題を早期に見抜くうえで役立ちます。
かんたんに言うと:
研究不正とは、意図的に行われる捏造・改ざん・盗用を意味します。誠実な過ちは不正にはあたりません。適切な記録の保存、透明性、そして慎重な画像の取り扱いが、あなたを守ります。
三つの中核的なカテゴリー
捏造とは、データや結果を作り上げ、それを本物として記録することを意味します。改ざんとは、材料・装置・データを操作して、研究記録が実際の研究を誤って示すようにすることを指し、都合の悪い結果を選択的に省くことも含まれます。盗用とは、他者のアイデア・言葉・データを自分のものとして提示することです。
| カテゴリー | 定義 | 典型的な例 |
|---|---|---|
| 捏造(Fabrication) | データや結果を作り上げること | 実験していない結果の記録 |
| 改ざん(Falsification) | 実際のデータを操作または省略すること | 都合の悪い外れ値の削除 |
| 盗用(Plagiarism) | 他者の研究を無断で用いること | 引用なしの文章複製 |
主要参考文献(PMIDs):研究不正の定義と検出
- PMID 19478950 — Fanelli D (2009): How many scientists fabricate and falsify research? A systematic review and meta-analysis of survey data
- PMID 9676689 — Budd JM et al. (1998): Phenomena of retraction: reasons for retraction and citations to the publications
- PMID 27273827 — Bik EM et al. (2016): The Prevalence of Inappropriate Image Duplication in Biomedical Research Publications
- PMID 29451551 — Bouter LM et al. (2016): Ranking major and minor research misbehaviors: results from a survey among participants of four World Conferences on Research Integrity
改ざんとしての画像操作
画像の取り扱いは、不正認定の頻繁な原因となっています。画像全体にわたって明るさを調整することは通常許容されますが、バンドを削除したり、明確な区切りなしにレーンをつなぎ合わせたり、ある領域を複製して結果を偽造したりすることは改ざんにあたります。加工前の元画像を保存し、いかなる調整も開示してください。
今や多くのジャーナルが図版の操作を検出する審査を行っています。論文の図表作成ガイドでは、許容される画像調整の基準(明るさ・コントラストの均一調整)と、禁止される操作(選択的なクロッピング、バンドの複製)の違いを詳しく解説しています。投稿前に図版の完全性を確認することが不可欠です。
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統計操作も改ざんに該当する
研究不正としての改ざんは、画像だけでなく統計的な操作にも及びます。仮説形成後に検定を選択する(HARKing)、多重比較補正を行わない、外れ値を恣意的に除外するなどの行為は、統計的な改ざんとみなされることがあります。統計解析結果の報告方法に従い、P値・効果量・信頼区間を透明かつ完全に報告することで、改ざんの疑念を防げます。
誠実な過誤は不正ではありません
科学は過ちを修正することで進歩するものであり、出版後に発見された誠実な過誤は、不正案件としてではなく訂正(correction)によって対処されます。その区別は、意図と、記録を修正しようとする意思にかかっています。自らの過誤を速やかに報告することは研究公正を守る一方、それを隠蔽することは、過ちをはるかに深刻な問題へと変えてしまうおそれがあります。
研究公正を守る習慣を築く
- 完全なデータの記録:タイムスタンプ付きの生データと元画像を保管する。
- 事前登録:解析を事前に登録してHARKingを防ぐ。
- 透明な統計報告:すべての比較を開示し、補正方法を明記する。
- 図版の元ファイル保管:RAW画像・顕微鏡ファイルを保存する。
- 早期の誤り開示:発見した誤りは速やかに編集者に報告する。
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実例
ある査読者が、図中の二つのパネルが同一の背景領域を共有していることに気づき、複製が疑われました。著者はタイムスタンプ付きの元の顕微鏡ファイルを保存していたため、それらのパネルが別々の視野から得られたものであり、レイアウトの誤りによって誤ったトリミング画像が配置されたことを示すことができました。この記録が、不正の懸念となりうる事態を、単純で修正可能な過ちへと変えたのです。
参考文献
- PMID 19478950 — Fanelli D. How many scientists fabricate and falsify? PLOS ONE. 2009
- PMID 9676689 — Budd JM et al. Phenomena of retraction: reasons for retraction and citations to the publications. JAMA. 1998
- PMID 27273827 — Bik EM et al. The Prevalence of Inappropriate Image Duplication in Biomedical Research Publications. mBio. 2016
- PMID 29451551 — Bouter LM et al. Ranking major and minor research misbehaviors: results from a survey among participants of four World Conferences on Research Integrity. Res Integr Peer Rev. 2016
- 研究公正局(ORI)
- COPE
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