「With Editor」の中で起きている査読前の4段階を示した概念図。①技術・形式チェック(編集部)②エディターの割り当て(編集長・編集部)③エディターの評価(担当エディター)④査読者の選定・依頼(担当エディター)。Editorial Managerでは①②がSubmitted to Journal、③④がWith Editorと表示され、ScholarOneではAwaiting Admin Processing、Awaiting Editor Assignment/Editor Invited、With Editor、Awaiting Reviewer Selection/Assignmentと段階ごとに表示される

With Editorとは|長い・何週間も続く理由と問い合わせ方

新規投稿の場合、「With Editor」は、原稿が編集部の事務的なチェックを通過して担当エディターが決まったものの、まだ査読には回っていない段階を指します(査読の後や修正稿の提出後に再び表示されることもあります。その場合は第1節の最後で説明します)。この間にエディターは論文を読み、そもそも査読に回すかどうかを判断し、必要に応じて別のエディターを加え、査読者を選びます。「With Editor」が長く続くこと自体は、不採択やトラブルの兆候ではありません。この段階の標準的な所要期間を公表している出版社はなく、実際のジャーナルのデータでも、査読前の判定までの日数は当日から数週間までばらつきます。問い合わせる場合は、待ち時間が投稿先ジャーナルの公表している初回判定までの期間を明らかに超えたときに、責任著者(corresponding author)として、投稿システムから1回だけ行いましょう。

Editorial Manager(EM)とScholarOneのステータス全体の地図は、投稿ステータスの一覧(EM・ScholarOne対応表)にまとめています。本記事では、その中でも「止まっている」ように見えやすい1つのステータスの中身を詳しく見ていきます。

1. 「With Editor」の公式な意味と、多くの解説が見落としている境界

この段階を詳しく説明しているのは、2つの出版社・提供元のヘルプページです。起きていることの説明は一致していますが、ステータスの始まりと終わりの位置が異なります。この違いによって、待ち時間の読み方が変わります。

項目 Editorial Manager(Elsevierの定義)[資料O1] ScholarOne(Silverchair・SAGEの定義)[資料O2、O3]
始まるとき 「An Editor has been assigned」(エディターが割り当てられた)時点です。それまではSubmitted to Journalと表示され、その間に編集チームが原稿を確認し、著者に差し戻すかエディターに割り当てます。 多くのジャーナルでは、その前に別の段階が表示されます。Awaiting Admin Processing(必要書類・書式・投稿範囲の初期チェック[資料O2、O3])、続いてAwaiting Editor AssignmentとEditor Invitedです[資料O3]。SAGEはWith Editorを「indicates that an editor has agreed to evaluate the manuscript, and the assignment is in their editorial queue」(エディターが原稿の評価を引き受け、その担当がエディターの作業待ちの列に入っていることを示す)と説明しています[資料O3]。
その間に起きていること エディターは「may be reading and assessing the submission, assigning additional editors according to the journal’s polices [sic], or taking some other action outside of the system」(原稿を読んで評価している、ジャーナルの方針に従って追加のエディターを割り当てている、またはシステムの外で何らかの対応をしている)と説明されています[資料O1]。 SAGEによると、この段階でエディターは「may complete their own manuscript screening and determine if it is suitable for peer review」(独自のスクリーニングを行い、原稿が査読に適しているかを判断することがある)とされ、ジャーナルの範囲や水準に合わない原稿は「may be returned without review or be desk rejected」(査読なしで返却されるか、デスクリジェクト〈desk rejection〉されることがある)とされています[資料O3]。査読者選びには通常、独自のステータスAwaiting Reviewer Selection / Assignmentがあり、「The editor is identifying and inviting suitable reviewers. This stage can take days to weeks depending on reviewer availability and the journal’s process.」(エディターが適切な査読者を探して依頼している。査読者の都合やジャーナルの手順によって、数日から数週間かかることがある)と定義されています[資料O2]。
終わるとき 「This status will remain until an Editor takes an action in the system to change the status, usually inviting reviewers.」(エディターがシステム上でステータスを変える操作、通常は査読者への依頼を行うまで、このステータスが続く)とされています[資料O1]。次のステータスはUnder Reviewで、「Reviewers have been invited」(査読者に依頼が送られた)時点で始まります[資料O1]。 査読依頼が送られたとき(SAGEでは、依頼を送ったものの、まだ承諾されていない状態をReviewer Invitedという別のステータスで表示します[資料O3])、または査読なしで判定が下されたときです。SAGEのジャーナルの一部ではAwaiting Decision Approvalという表示もあり、査読前の段階では「the Editor is currently assessing your submission to decide whether or not to send it into the Peer Review process」(エディターが、原稿を査読に回すかどうかを判断するために評価している)ことを意味します[資料O3]。ただし戻ることもあります:SAGEは、ステータスがしばらく「Reviewer Invited」と表示された後に「With Editor」に戻ることがあり、これは「likely means that peer reviewers have declined the invitations, and the editor will now have to look for other reviewers」(査読者が依頼を辞退し、エディターが別の査読者を探す必要が生じた可能性が高い)と説明しています[資料O3]。

実務上どういうことか:Editorial Managerでは、エディターが査読依頼を送った瞬間にステータスが「Under Review」に変わります[資料O1]。つまり、査読者が依頼を断ったり返事をしなかったりしている期間は「Under Review」として表示され、「With Editor」ではありません。EMで「With Editor」が長いときは、依頼を送る前の作業、すなわちエディター自身の評価、追加のエディターの関与、誰に依頼するかの検討、あるいはシステム外での作業に時間がかかっていると考えられます。一方ScholarOneでは、査読者探しの期間は通常、専用の表示(Awaiting Reviewer Selection / Assignment、またはReviewer Invited)で示されます。その期間について何らかの幅を示しているのは、本記事で参照した情報源のうちSilverchairだけで、それも「days to weeks」(数日から数週間)というものです[資料O2]。

日本語の解説ページの中には、「With Editor」が長い理由を「査読者が次々に辞退しているから」と説明しているものがあります。この説明が当てはまるかどうかは、システムによって決まります。ScholarOneのジャーナルでは当てはまり得ます。SAGEによると、査読者が依頼を辞退すると、エディターが別の査読者を探す間、ステータスが「Reviewer Invited」から「With Editor」に戻ることがあります[資料O3]。つまり、一度「Reviewer Invited」と表示された後に「With Editor」に戻ったScholarOneの原稿は、査読者を探し直している可能性が高いと言えます。一方Editorial Managerでは、Elsevier自身の定義に照らすと、査読者の辞退は「Under Review」の間に起きるため、この説明は当てはまりません[資料O1]。

表示名はジャーナルごとに異なります。Elsevierは「Each journal is able to customize the wording of the status terms, but the same status phases apply to all journals using Editorial Manager」(ステータスの表現は各ジャーナルが変更できるが、Editorial Managerを使うすべてのジャーナルで同じ段階が適用される)と説明しています[資料O1]。Springer Natureは同じ流れを、初期の品質チェック(著者資格、利益相反、倫理承認、剽窃の確認)、エディターの割り当て、査読、判定という段階で説明しており、担当エディターは「If … satisfied with your work」(原稿に問題がなければ)「choose appropriate peer reviewers」(適切な査読者を選ぶ)としています[資料O4]。ダッシュボードに「Editor Assigned」や「Under Consideration」と表示されている場合は、この流れの中のどの位置にあたるかで読み取ってください。

再び「With Editor」に戻ったとき:査読の後、または修正稿の提出後

「With Editor」を検索する研究者の多くは、この表示を後の段階で目にしています。「Required Reviews Completed」の後や、修正稿をアップロードした後です。これも通常の流れであり、公式の定義から説明できます。

  • ステータスは後戻りすることがあります。Elsevierは「an individual submission can skip a phase, or return back to an earlier phase, depending on Editor actions」(エディターの操作によって、個々の投稿が段階を飛ばしたり、前の段階に戻ったりすることがある)と明記しています。Required Reviews Completedについては「The Editors may take time to discuss the reviews and may invite more reviewers or assign another editor, returning the submission to an earlier status」(エディターが査読結果の検討に時間をかけ、査読者を追加したり別のエディターを割り当てたりして、投稿を前のステータスに戻すことがある)とし、Decision in Processについても同様に説明しています[資料O1]。したがって「Required Reviews Completed → With Editor」という動きは、通常、エディターが追加の査読や別のエディターの意見を検討していることを意味します。判定が覆ったことを意味するものではありません。
  • 修正稿も同じ段階を通ります。EMでは、修正稿も同じワークフローに入り直します。たとえばElsevierによるSent Back to Authorの定義は「Your new or revised submission」(新規投稿または修正稿)に言及しています[資料O1]。そのため、エディターが修正稿を評価している間、再び「With Editor」と表示されることがあります。その後の流れについてSilverchairは「The editorial office may send the revision back out for review, or the editor may make a decision without additional review, depending on journal policy.」(ジャーナルの方針に応じて、編集部が修正稿を再び査読に回すこともあれば、エディターが追加の査読なしで判定することもある)と説明しています[資料O2]。

どちらの場合も、表示だけからはどちらの結果に向かうのかはわかりません。Required Reviews CompletedやDecision in Processの前後でのステータスの動きはステータス一覧で確認できます。本記事では「With Editor」そのものの意味に絞って解説します。

2. 「With Editor」の中にある4つの段階(図1)

「With Editor」の中で起きている査読前の4段階を示した概念図。①技術・形式チェック(編集部)、②エディターの割り当て(編集長・編集部)、③エディターの評価(担当エディター)、④査読者の選定・依頼(担当エディター)。Editorial Managerでは①②がSubmitted to Journal、③④がWith Editorと表示され、ScholarOneでは段階ごとに別の表示になる
図1. 「With Editor」の中で起きていること:査読に回る前の4つの段階。①編集部による技術・形式チェック、②編集長または編集部によるエディターの割り当て、③担当エディターによる評価(査読に回すか、追加のエディターを指名するか)、④査読者の選定と依頼。出口はSent Back to Author(査読前の修正依頼、EM)、Decision in Process(査読なしの判定:デスクリジェクト・転送など)、Under Review(EMでは依頼の送信で切り替わる)。下段は各システムの表示で、EMは①②を「Submitted to Journal」、③④を「With Editor」と表示し、ScholarOneはAwaiting Admin Processing、Awaiting Editor Assignment / Editor Invited、With Editor、Awaiting Reviewer Selection / Assignmentと段階ごとに表示します(出典:Elsevier Editorial Managerステータス定義〔2026年8月28日更新〕、Silverchair、SAGE、Springer Nature。2026年10月1日確認。概念図・数値データなし)© editverse.com

図の読み方:4つの段階はどのジャーナルでも起きますが、EMは後半の2段階を「With Editor」という1つの表示にまとめ、ScholarOneのジャーナルは通常、段階ごとに別の表示を出します。そのため、EMの「With Editor」はScholarOneの「With Editor」よりも広い範囲を含んでいます。

各段階の読み方は次のとおりです。

段階 動く人 時間がかかる要因 これだけでは判断できないこと
① 技術・形式チェック 編集部 申告書類、図のファイル、倫理に関する記載の不足など。ジャーナルはこの時点で著者資格、利益相反、倫理承認、剽窃を確認します[資料O4]。 研究内容の質(これは書類がそろっているかの確認です)。ここで問題があるとSent Back to Authorになりますが、これは修正の依頼であって不採択ではありません[資料O1]。
② エディターの割り当て 編集長または編集部 依頼されたエディターが引き受ける必要があり、引き受けるまで「Editor Invited」と表示するジャーナルもあります[資料O3]。 原稿について何かを示すものではありません。
③ エディターの評価 担当エディター(複数の場合もあり) 原稿を読む時間。ジャーナルの方針で2人目のエディターが必要な場合や、エディターがシステム外で他の人に相談する場合もあります[資料O1]。 どちらの判定かは示しません。査読なしの不採択はここで決まりますが、査読に回す判断もここで行われます。
④ 査読者の選定 担当エディター 専門性があり、利益相反のない査読者を見つけること(Springer Natureは専門性、経験、利益相反を考慮事項として挙げています[資料O4])。ScholarOneでは、依頼が辞退されるとステータスがWith Editorに戻ることがあります[資料O3]。 EMでは、査読者の辞退ではありません。辞退はステータスがUnder Reviewに変わった後に起きます[資料O1]。

この図は公式の定義だけをもとにRで描いたもので、数値は使っていません。コードの中心部分は次のとおりです。

library(ggplot2)
st <- data.frame(xmin = c(0.4, 6.0, 11.6, 17.2), xmax = c(5.2, 10.8, 16.4, 22.0),
                 ymin = 8.4, ymax = 11.3)
em <- data.frame(xmin = c(0.4, 11.6), xmax = c(10.8, 22.0), ymin = 5.9, ymax = 7.0,
                 lab = c("Submitted to Journal", "With Editor"))
p <- ggplot() +
  geom_rect(data = st, aes(xmin = xmin, xmax = xmax, ymin = ymin, ymax = ymax),
            fill = "#f4f6f9", colour = "#0d2137") +
  geom_rect(data = em, aes(xmin = xmin, xmax = xmax, ymin = ymin, ymax = ymax),
            fill = c("white", "#1e5f3d"), colour = "#0d2137") +
  # ……段階のラベル、ScholarOneの行、出口のボックス(Sent Back to Author、
  #     Decision in Process、Under Review)と矢印……
  theme_void(base_family = "Noto Sans CJK JP")
ggsave("with-editor-status-fig1-ja.png", p, device = ragg::agg_png,
       width = 13.5, height = 7.4, dpi = 150)

3. 「With Editor」はどのくらい続くのか:公表されている情報と実データ

公式に定められた所要期間はありません。ElsevierのEMステータス解説は、どの段階にも日数を示していません[資料O1]。期間の幅に触れているのはSilverchairだけで、それも査読者選びという1つの段階についての「days to weeks」(数日から数週間)にとどまります[資料O2]。SAGEも、原稿が審査にかかる時間は査読者の都合によると述べるだけで、数字は挙げていません[資料O3]。「With Editorは通常◯日」という記述は、公式情報ではなく経験からの一般化です。

比べる相手として公表されているのは、投稿先ジャーナル自身の処理期間です。Elsevierは「For most journals you can consult the actual editorial and production time on the Journal Homepage」(多くのジャーナルでは、実際の編集・制作期間をジャーナルのホームページで確認できる)としており、「Review Time」のリンクからは「the average number of weeks it takes for a manuscript to reach first and final decision over the last several years」(過去数年間に、原稿が初回判定と最終判定に至るまでにかかった平均週数)を見られると説明しています。ただし「Not all journals have Journal Insights and associated data live yet」(すべてのジャーナルでJournal Insightsと関連データが公開されているわけではない)とも書かれています[資料O5]。他の出版社でも、ジャーナルのホームページに「time to first decision」(初回判定までの期間)を載せていることがよくあります。

読み込みすぎずに目安をつかむうえで、次の3つの研究が参考になります。

  • 査読前の判定が速いとは限りません。著者がSciRevに報告した3,500件の査読体験の分析では、「One-third of journals take more than 2 weeks for an immediate (desk) rejection and one sixth even more than 4 weeks」(3分の1のジャーナルは即時〈デスク〉リジェクトに2週間を超える期間がかかり、6分の1は4週間を超えている)と報告されています[文献1]。投稿から3週間たっても「With Editor」のままなのは、単にこの段階に時間がかかるジャーナルだからかもしれません。
  • 査読前の判断は実際に難しく、2人目の意見を加えるジャーナルもあります。International Journal of Public Healthでは、3人の共同編集長が30本の原稿について独立に事前スクリーニングの判断を行いました。3人の判断が一致したのは43%にとどまり、互いの意見を検討した後でも67%でした。個々の編集長の事前スクリーニングでの不採択率は47%、80%、60%でした。同誌は、査読に回すかどうかを検討する原稿について「second opinion」(2人目の意見)を加えることにしました[文献2]。これはまさに、ElsevierがWith Editorの説明に挙げている「追加のエディターの割り当て」にあたる作業であり[資料O1]、その分の時間がかかります。
  • 査読者探しは全般に時間がかかります(段階④に関係し、EMではその次のステータスに関係します)。生態学・進化学の6誌のうち4誌では、査読依頼のうち実際に査読報告の提出に至った割合が、平均して2003年の56%から2015年の37%に低下していました[文献3]。これを知っているエディターは、依頼を出す前の候補選びにより時間をかけるかもしれません。

次節の実例では、1つのジャーナルの中でもどれだけばらつきがあるかを見ていきます。

4. 実例:1誌の判定までの実際の日数(デスク判定を含む)

Indian Journal of Cancerは、2020年4月1日から5月31日までに投稿されたすべての原稿を監査しました(316本を分析)[文献4]。公表されている要旨によると、結果は次のとおりです。

  • 316本中166本(52.5%)がデスクリジェクトでした。
  • 判定までの日数の中央値は、デスクリジェクト1日(範囲0〜42日)、査読後の不採択67日(範囲4〜309日)、採択133.5日(範囲42〜305日)でした。
  • 107本の原稿を査読するために、同誌は536人の外部査読者に依頼しました。306人は返答がなく、79人は辞退し、151人が承諾し、132人がコメントを返しました。

Rコード(数値は公表されたとおりに入力しており、推定値は使っていません):

library(ggplot2)
ijc <- data.frame(
  decision    = c("Desk rejection (n = 166)", "Rejection after peer review", "Acceptance"),
  median_days = c(1, 67, 133.5),
  min_days    = c(0, 4, 42),
  max_days    = c(42, 309, 305))
print(ijc)
# 査読依頼(同じ監査)
round(c(accepted_pct    = 151 / 536 * 100,
        no_response_pct = 306 / 536 * 100,
        invites_per_reviewed_ms = 536 / 107), 1)
p <- ggplot(ijc, aes(y = factor(decision, levels = rev(decision)))) +
  geom_segment(aes(x = min_days, xend = max_days, yend = decision), linewidth = 2.2, alpha = 0.35) +
  geom_point(aes(x = median_days), size = 4.5) +
  theme_minimal(base_family = "Noto Sans CJK JP")
ggsave("with-editor-status-fig2-ja.png", p, device = ragg::agg_png,
       width = 11, height = 5.4, dpi = 150)

出力(R 4.3.3、コンソールからそのまま転記):

                     decision median_days min_days max_days
1    Desk rejection (n = 166)         1.0        0       42
2 Rejection after peer review        67.0        4      309
3                  Acceptance       133.5       42      305
           accepted_pct         no_response_pct invites_per_reviewed_ms
                   28.2                    57.1                     5.0 
Indian Journal of Cancerに2020年4〜5月に投稿された316本の、判定までの日数の中央値と範囲。デスクリジェクト(166本)は中央値1日(範囲0〜42日)、査読後の不採択は中央値67日(範囲4〜309日)、採択は中央値133.5日(範囲42〜305日)
図2. Indian Journal of Cancerにおける投稿から判定までの日数(2020年4〜5月の投稿、316本を分析)。デスクリジェクト:中央値1日(範囲0〜42日、166本)、査読後の不採択:中央値67日(範囲4〜309日)、採択:中央値133.5日(範囲42〜305日)。1誌・2か月間(2020年)のデータであり、他誌の目安ではありません(データ:Fernandes GJ, Pai SA. Indian J Cancer 2021;58(2):165-170〔PMID 34100409〕の要旨の値)© editverse.com

図の読み方:このジャーナルではデスク判定の大半が1日以内に出ていましたが、6週間かかった例もありました。査読前の待ち時間が長いことはどちらの結果とも矛盾せず、中央値からご自身の原稿について言えることはほとんどありません。

このデータの使い方と、使ってはいけない読み方を整理します。

  • 読み取ってよいこと:通常は即日判定が出るジャーナルでも、査読前の段階にはまれに長くかかる例(分布の長い裾)があること。そして査読者の確保が難しいこと。この監査では、依頼された査読者のうち承諾したのは28.2%にとどまり、57.1%は一度も返答しませんでした。査読された原稿1本あたり約5件の依頼が必要だった計算です。
  • 読み取ってはいけないこと①:この数値をご自身の投稿先にそのまま当てはめること。これは腫瘍学の1誌、2か月間、しかもCOVID-19パンデミック初期のデータです。また、監査が報告しているのは判定までの日数であって投稿システムのステータスではないため、各論文が「With Editor」と表示されていた期間はわかりません。
  • 読み取ってはいけないこと②:「1週間たってもWith Editorのままだから、査読に回るはずだ」と結論づけること。このジャーナルでは、デスクリジェクトまでの日数の範囲は42日にまで及んでいました。

5. 問い合わせてよいタイミング:判断の目安

両システムの公式ガイダンスが示す順序は同じです。まず自分の側で対応待ちになっているものがないかを確認し、次にジャーナルが公表している期間と比べ、それでも問い合わせる場合はシステム経由で1回だけ連絡します。

状況 すること 根拠
ここ数日から数週間のうちに「With Editor」に変わった 待ちます。この段階で著者に求められていることはありません。 [資料O1、O2]
自分の側で対応が必要なものが残っていないか、はっきりしない 著者用ダッシュボードで承認待ちの項目を確認します(EM:Needs Approval、ScholarOne:Author Centerの対応待ち項目)。迷惑メールフォルダにジャーナルからのメールが入っていないかも見てください。 [資料O1、O2]
投稿からの経過日数が、ジャーナルの公表する初回判定までの平均期間を明らかに超えている 1回だけ問い合わせてかまいません。Elsevierは「If you are waiting considerably longer to receive a decision from the Editor than the average review speed indicates, you can contact the Editor. To contact the Editor, you must be the Corresponding Author.」(平均的な査読期間が示すよりかなり長く判定を待っている場合は、エディターに連絡できる。連絡できるのは責任著者のみ)としています。 [資料O5]
ジャーナルが処理期間を公表していない ステータスについて不明な点がある場合、SAGEはジャーナルの編集チームに問い合わせて確認するよう案内しています。なお、デスク判定だけで4週間を超えるジャーナルが約6誌に1誌あることも考慮に入れてください[文献1]。 [資料O3]、[文献1]
待つ代わりに他誌へ投稿しようと考えている 審査中の原稿を他誌に投稿してはいけません。ICMJEは「Authors should not submit the same manuscript, in the same or different languages, simultaneously to more than one journal.」(著者は同じ原稿を、同じ言語であれ異なる言語であれ、複数のジャーナルに同時に投稿すべきではない)と定めています。投稿先を変えると決めた場合は、正式に取り下げ(withdraw)の手続きをとり、確認を受けてから次に進んでください。 [資料O6]

連絡のしかた:Editorial Managerでは、責任著者が原稿のAction列にあるSend E-mailを使えます。送ったメッセージは「will be retained in the official correspondence history of the submission」(その投稿の公式なやり取りの履歴に保存される)とされ、編集チームから数日以内に返答がない場合、Elsevierは「Chat with us」のサポートを案内しています[資料O7]。ScholarOneでは、Author CenterのContact Journalリンクを使います[資料O2]。エディター個人のメールアドレスに直接送るのは避けましょう。

査読前の段階で使える、短く丁寧な問い合わせメール

このテンプレートは、まだ査読に回っていない原稿のためのものです。ステータスが止まって見える原因として最も多い「著者側で何か必要なものが残っていないか」を尋ね、判定を急かすことはしません。査読中や修正稿の提出後の問い合わせには、査読・修正サイクルの期間ガイドの例文をお使いください。

Subject: Manuscript [ID] – enquiry about current status

Dear Editorial Office,

I am writing as the corresponding author of the manuscript "[Title]"
(ID: [ID]), submitted on [date]. The submission system has shown
"With Editor" since [date].

Could you kindly let me know whether any further information or files
are needed from us, and whether there is an expected timeframe for the
next step?

Thank you for your time and for handling our manuscript.

Yours sincerely,
[Name]
[Affiliation]

送るときの注意:送るのは1通だけにします。ジャーナルの投稿規程で求められていない限り、他誌のことや、研究費・学位審査の締切には触れないでください。原稿IDは、システムに表示されているとおりに正確に記載しましょう。

6. 待っている間にできること

  1. 投稿内容に不備がないか確認する。「査読前で止まっている」問題の多くは著者側にあります。承認されていないPDF、署名のない申告書、倫理に関する記載の欠落などです。エディターが最初に確認する項目はデスクリジェクト防止チェックリストにまとめています。
  2. 査読なしの判定に備える。エディターがこの段階で原稿を見送る場合、通常はまずDecision in Processと表示され、その後に不採択または転送の提案が届きます(著者の回答が必要な場合、EMではTransfer Pendingと表示されます)[資料O1]。次に投稿するジャーナルと、変更する点を今のうちに決めておけば、デスクリジェクトで失う時間を数週間ではなく数日に抑えられます。通知の読み方はReject and ResubmitとRevise and Resubmitの違いで解説しています。
  3. 査読に備える。ステータスがUnder Reviewに変わったら、査読者の作業に数週間かかります。解析を再現できる状態に整え、新鮮な目で原稿を読み直し、回答書の枠組みを作り始めておきましょう。査読者が何を評価するよう求められるかは査読プロセス完全ガイドで説明しています。
  4. 共著者と情報を共有しておく。期限付きの修正依頼が届いたときに、分担がすでに決まっているようにしておきます。

7. 「With Editor」についてよく見かける説を、情報源で確かめる

ネットで見かける説 情報源が示していること
「With Editorが長いのは、査読者が辞退し続けているから」 EMでは依頼を送った時点でUnder Reviewに変わるため、辞退はWith Editorの後に起きます[資料O1]。ScholarOneでは、査読者の確保には通常、独自のステータスがあります[資料O2]。ただしSAGEによると、辞退があるとステータスが「Reviewer Invited」から「With Editor」に戻ることがあるため[資料O3]、先に「Reviewer Invited」が表示されていた場合はこの説明が当てはまる可能性があります。
「何週間もWith Editorなら、デスクリジェクトが近い」 所要期間と結果を結びつける公式の定義はありません。1誌の中でもデスク判定は当日から6週間まで幅があり[文献4]、3分の1のジャーナルでは2週間を超えています[文献1]。
「何週間もWith Editorなら、査読に回る」 こちらも根拠がありません。エディターがまだ評価している、2人目のエディターに相談している[資料O1、文献2]、あるいは査読者を選んでいる可能性があります。
「With Editorは通常1〜2週間」 ElsevierもSilverchairも、このステータスの所要期間を公表していません[資料O1、O2]。比べるべきは、ジャーナルが公表している初回判定までの期間です[資料O5]。
「エディターにメールすれば早くなる」 Elsevierは、待ち時間がジャーナルの平均よりかなり長い場合に、責任著者が連絡することを認めています[資料O5]。システム経由で丁寧なメッセージを1通送るのが基本です[資料O7]。

ステータスが変わったら、届いた内容をそのままお送りください

「With Editor」が修正依頼に変わった場合、次の段階には期限があります。判定通知(decision letter)と査読コメントをお送りいただければ、すべてのコメントを無料で確認し、作業量、再解析の要否、確定見積もりと納期をお知らせします。

修正(Minor・Major)の場合:査読対応サポート(論文1本あたり¥29,800)。コメントごとの分析、Response to Reviewers(回答書)、修正箇所の英文校正を含みます。査読が2回目以降に及んでも、採択まで追加料金なしでサポートを継続します。

デスクリジェクトになった場合、または投稿先選びから採択まで一つの契約で進めたい場合:投稿から採択まで|伴走パッケージ(¥298,000)で、ジャーナル選定、投稿、修正対応、再投稿までを一つのプランで進められます。デスクリジェクト後の再投稿1回分のみをご希望の場合は、リジェクト再挑戦パック(¥79,800)もご用意しています。

何を変えるか、どう反論するか、どのデータを追加するかといった科学的な判断は、著者・共著者の皆さまが行います。ICMJE推奨では、英文校正、技術的な編集、執筆の補助はそれだけでは著者資格の要件を満たさず、謝辞に記載するものとされています[資料O8]。研究デザイン、解釈、結論は著者の皆さまのものです。採否はジャーナルのエディターと査読者が判断します。私たちがお約束するのは、採択まで追加料金なしでサポートを継続することです。

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まとめ

  • 「With Editor」=エディターが担当につき、まだ査読には回っていない状態です。エディターによる評価、追加のエディターの関与、そして(EMでは)依頼を送るまでの査読者選びが含まれます。
  • 査読の後や修正稿の提出後に再び表示されるのは、通常の流れです。エディターが追加の査読や別のエディターの意見を求めるとステータスは前に戻ることがあり、修正稿も追加の査読の前にエディターが評価します。
  • EMとScholarOneでは境界の位置が違います。EMでは、査読者の辞退はステータスがUnder Reviewに変わった後に起きます。ScholarOneでは、査読者の確保は通常、独自の表示で示され、依頼が辞退されるとステータスがWith Editorに戻ることがあります。
  • 公式の所要期間はありません。実データでは、1誌の中でもデスク判定は当日から6週間まで幅があり、3分の1のジャーナルでは2週間を超えています。
  • 問い合わせは、責任著者として、システム経由で1回だけ。待ち時間がジャーナルの公表する初回判定までの期間を明らかに超えたときに、まず「著者側で必要なものがないか」を尋ねましょう。
  • 待ち時間を活用しましょう。投稿内容の確認、デスクリジェクトへの備え、査読への準備ができます。

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よくある質問

Q. 「With Editor」とはどういう意味ですか?

原稿に担当エディターが割り当てられ、まだ査読に回っていない状態です。この間にエディターは論文を評価し、必要に応じて他のエディターを加え、査読者を選びます。Editorial Managerでは、エディターがシステム上で操作を行う(通常は査読者に依頼を送る)までこのステータスが続きます。査読の後や修正稿の提出後に、エディターが改めて原稿を評価している間に再び表示されることもあります。これは通常の流れで、結果を示すものではありません。

Q. 何週間も「With Editor」のままです。悪い兆候でしょうか?

必ずしもそうではありません。このステータスの標準的な所要期間を公表している出版社はなく、待ち時間の長さは結果を示しません。あるジャーナルの監査では、デスク判定までの日数は当日から42日まで幅があり、著者を対象とした調査では、3分の1のジャーナルでデスクリジェクトに2週間を超える期間がかかっていました。

Q. 「With Editor」が長いのは、査読者が辞退しているからですか?

Editorial Managerでは違います。EMでは査読依頼を送った時点でステータスが「Under Review」に変わるため、依頼の辞退は「With Editor」の後に起きます。ScholarOneのジャーナルでは、査読者探しは通常、「Awaiting Reviewer Selection」や「Reviewer Invited」などの別の表示で示されますが、SAGEによると、査読者が依頼を辞退すると、エディターが別の査読者を探す間、ステータスが「Reviewer Invited」から「With Editor」に戻ることがあります。

Q. いつならジャーナルに問い合わせてもよいですか?

待ち時間の合計が、ジャーナルの公表する初回判定までの平均期間をかなり超えたときです。Elsevierは、エディターに連絡できるのは責任著者のみとしています。投稿システムから短いメッセージを1通送りましょう(EMではSend E-mail、ScholarOneではContact Journal)。

Q. 「With Editor」の間に、別のジャーナルに投稿してもよいですか?

いいえ。ICMJEは、同じ原稿を複数のジャーナルに同時に投稿すべきではないと定めています。投稿先を変えると決めた場合は、まず正式に原稿を取り下げ、その確認を受けてから次に進んでください。

参考資料

PubMed収載文献(2026年10月1日、NCBI E-utilitiesのesummary・efetchで書誌情報を確認)

  1. Huisman J, Smits J. Duration and quality of the peer review process: the author’s perspective. Scientometrics. 2017;113(1):633-650. doi: 10.1007/s11192-017-2310-5. PMID: 29056794.
  2. Künzli N, von dem Knesebeck O, Madarasova Geckova A, Park S, Woodrow C. Desk Rejection Decisions – Do Co-Editors-In-Chief of This Journal Agree? Int J Public Health. 2026;71:1608909. doi: 10.3389/ijph.2026.1608909. PMID: 41835308.
  3. Fox CW, Albert AYK, Vines TH. Recruitment of reviewers is becoming harder at some journals: a test of the influence of reviewer fatigue at six journals in ecology and evolution. Res Integr Peer Rev. 2017;2:3. doi: 10.1186/s41073-017-0027-x. PMID: 29451533.
  4. Fernandes GJ, Pai SA. An audit of the editorial process at the Indian Journal of Cancer: Lessons learned, and how to improve chances of acceptance of your paper. Indian J Cancer. 2021;58(2):165-170. doi: 10.4103/ijc.IJC_1319_20. PMID: 34100409.

公式資料・組織の情報源(2026年10月1日閲覧)

  • O1. Elsevier, Journal Article Publishing Support Center. “What does the status of my submission mean in Editorial Manager?”(2026年8月28日更新):elsevier.support
  • O2. Silverchair Support. “ScholarOne Manuscript Status Definitions.”:support.silverchair.com
  • O3. Sage Journals Support. “How can I check the status of my submitted paper?”(Manuscript Status Definitionsの項、KB記事908、2026年5月29日更新。2026年10月5日確認):journalssolutions.sagepub.com
  • O4. Springer Nature Support. “Editorial process after submission”(2024年11月20日更新):support.springernature.com
  • O5. Elsevier, Journal Article Publishing Support Center. “When can I expect a decision from the Editor?”(2026年8月4日更新):elsevier.support
  • O6. ICMJE Recommendations. “Overlapping Publications”:icmje.org
  • O7. Elsevier, Journal Article Publishing Support Center. “How do I send an email about my submission?”(2026年8月28日更新):elsevier.support
  • O8. ICMJE Recommendations. “Defining the Role of Authors and Contributors”(Non-Author Contributors):icmje.org

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