Editorial ManagerとScholarOne Manuscriptsの投稿ステータス対応表。①著者の操作待ちから⑧決定の通知までの8段階について、両システムの表示名と、いま動くのが著者・編集部・エディター・査読者のどれかを示した図

Editorial Managerのステータス一覧|ScholarOne対応表と実データ

投稿システムに表示されるステータスが教えてくれるのは、原稿がいまどの段階にあり、次に誰が動く番なのか(編集部・エディター・査読者・著者のどれか)です。結果を示すものではありません。また、Editorial Manager(EM)についてのElsevierのヘルプページにも、ScholarOneについてのSilverchairのヘルプページにも、各ステータスの標準的な所要期間は書かれていません。本記事では、両システムのステータスを公式ヘルプに基づいて対応表にまとめ、それぞれの実務上の意味と、問い合わせてもよいタイミングを解説します。さらに、根拠のない「一般的な待ち時間」の代わりに、PubMedから取得した7誌1,041本の受付日(Received)から採択日(Accepted)までの日数という実データを紹介します。

この種の検索で上位に表示されるページの多くは、「With Editorとは?」のように1つのステータスだけを説明しています。しかし、毎朝ダッシュボードを確認している研究者に必要なのは全体の地図です。どの表示が同じ段階を指すのか、不安に見えても実は通常どおりなのはどれか、本当に自分が動く必要があるのはどれか。本記事はその地図を提供します。査読そのものの流れは査読プロセス完全ガイドを、段階ごとの期間の見通しと問い合わせメールの例文は査読・修正サイクルの期間ガイドをご覧ください。

1. ステータスの確認場所と、読む前の3つの原則

ステータスが表示される場所

  • ScholarOne Manuscripts:ジャーナルのScholarOneサイトにログインし、Author Center → Submitted Manuscripts(または Manuscripts I Have Co-Authored)を開きます。Silverchairのヘルプページによると、ステータスは原稿一覧のいちばん左の列に表示されます[資料O2]。
  • Editorial Manager:ジャーナルのEMサイトに著者(Author)としてログインすると、投稿した原稿がステータス列とともに一覧表示されます。Elsevierのヘルプページは、EMがステータス用語を同ページの表のとおりに表示すると説明しています[資料O1]。

解釈する前に押さえたい3つの原則

  1. 表示名はジャーナルごとに異なります。どちらのシステムもジャーナル単位で設定されています。Elsevier自身が「Journals can customize the wording of status terms」(ジャーナルはステータス用語の表現を変更できる)と明記しており[資料O1]、Wolters KluwerのEMステータス解説も、用語は「will vary by journal」(ジャーナルによって異なる)としています[資料O4]。Silverchairも、自社の一覧を「every common status」(よく使われるステータス)の定義と位置づけており、存在しうるすべての表示を網羅したものではありません[資料O2]。本記事にない表示を見かけた場合は、ほぼ確実に、図1のいずれかの段階のジャーナル独自の言い換えです。
  2. ステータスは「段階」であって「判定」ではありません。どちらのシステムの公式定義にも、採択や不採択を事前に示すステータスはありません。「Required Reviews Completed」や「Decision in Process」は判定の作業が進んでいることを意味するだけで、良い結果か悪い結果かを示すものではありません。
  3. 同じ言葉でも、システムによって意味が少し違います。「Under Review」と「Decision in Process」はどちらのシステムにもありますが、定義が異なります(第4節)。必ずご自身が使っているシステムの定義で読んでください。

2. Editorial Managerのステータス一覧(Elsevierほか多くの出版社)

Editorial ManagerはAries Systems社が開発したシステムで、Elsevierをはじめ多くの出版社が利用しています[資料O4]。下表2列目の定義は、Elsevierの Journal Article Publishing Support Center(2026年8月28日更新)の記載を引用または要約したものです[資料O1]。

ステータス 公式の定義(Elsevier) 実務上の意味 著者がすること
Incomplete 著者が投稿(または修正稿の提出)手続きを完了するのを待っている状態。「Build PDF for Approval」を選択するまでこのステータスにとどまる。90日以上未完了の投稿は削除される。 ジャーナルにはまだ何も届いていません。 手続きを完了し、PDFを作成する。
Needs Approval / Revision Needs Approval 著者またはエディターが作成したPDFが、先へ進むために著者の承認を待っている。 承認するまでジャーナル側からは見えません。「投稿したはずなのに進まない」原因としてよくあるものです。 PDFを開いて確認し、承認する。
Sent Back to Author 新規投稿または修正稿が、査読前の修正のために編集チームから差し戻された。 査読に回す前に、編集部が修正を求めています。何を直すかは同時に届くメールに書かれています。不採択ではありません。 メールを読み、修正して再提出する。
Submitted to Journal 投稿と承認が完了した。編集チームが内容を確認し、著者に差し戻すか、エディターに割り当てる。 編集部による初期チェックの段階です。 待つ。
With Editor エディターが割り当てられ、別のステータスに切り替わる操作をまだ行っていない。 エディターが原稿を評価しています(査読に回すかどうかの判断を含みます)。「Under Review」は査読依頼を送った時点で始まるため、依頼を出す前の査読者選びの期間も「With Editor」と表示されます。 待つ。
Under Review 査読者に依頼が送られ、査読プロセスが進行中。 査読者が引き受けた時点ではなく、依頼を送った時点で始まります。多くの論文で最も長い段階です。 待つ。
Required Reviews Completed 必要とされる数の査読が完了し、担当エディターがその内容を検討している。 ジャーナルまたはエディターが設定した必要数の査読がそろいました(判定ではありません)。詳しくはRequired Reviews Completed・Awaiting Reviewer Scoresの意味をさらに詳しくをご覧ください。 待つ。
Decision in Process エディターがシステム上で判定の作業を開始した。 判定の文面を作成中、またはエディター間で回付中です(例:担当エディター → 編集長)。結果はまだわかりません。 待つ。通常、このあと判定メールが届きます。
Revise エディターが判定を下し、修正を求めた。 修正の判定です(MinorかMajorかは判定通知を確認)。 判定通知を読み、修正の計画を立てる(リバイスの進め方)。
Completed – Accept / Completed – Reject Accept(採択)またはReject(不採択)の判定で手続きが完了した。 このジャーナルでの最終結果です。 採択なら制作工程へ。不採択なら不採択通知の読み方と次の一手を参照。
Transfer Pending エディターが別のジャーナルへの移管を推薦しており、著者の回答が必要。 提案であって、義務ではありません。 移管を受け入れるかどうかを決める。
Submission Transferred 原稿が別のジャーナルに移管された。 以後は移管先ジャーナルのシステムで手続きが進みます。 移管先のシステムで状況を確認する。

3. ScholarOne Manuscriptsのステータス一覧

ScholarOne ManuscriptsはClarivateが所有していましたが、2024年10月28日、SilverchairはClarivateからScholarOne ManuscriptsとScholarOne Conferencesを買収する最終契約(definitive agreement)を締結したと発表しました[資料O5]。現在、ScholarOneの著者向けサポートはSilverchairのサポートサイトで提供されています。下表の定義はSilverchairの ScholarOne Manuscript Status Definitions によるもので[資料O2]、* 印の行はSAGEが自社のScholarOne利用誌向けに公開している著者ヘルプによります[資料O3]。

ステータス(Silverchairのまとめ方に従って表記ゆれをまとめたもの) 公式の定義 実務上の意味 著者がすること
Awaiting Admin Processing 投稿を受け付け、編集部が査読に回す前の初期チェック(不足書類、書式、スコープ)を行っている。著者の対応は不要。 EMの「Submitted to Journal」と同じ段階です。 待つ。
Awaiting Editor Assignment* / Editor Invited* / With Editor* エディターの割り当て待ち/エディターに依頼済みで承諾待ち/エディターが承諾し、そのエディターの担当一覧に入っている[SAGE]。 これらの手順を別々に表示するジャーナルもあります。EMではすべて「With Editor」と表示されます。 待つ。
Awaiting Reviewer Selection / Awaiting Reviewer Assignment / Awaiting Referee Assignment エディターが適切な査読者を探し、依頼している。査読者の都合によって数日から数週間かかることがある。 査読者の確保の段階です。依頼した査読者が辞退するとエディターは別の候補に依頼し直すため、しばらくこの表示が続くことがあります。 待つ。
Under Review / Awaiting Reviewer Scores 査読者が割り当てられ、原稿を評価している。ジャーナルから連絡がない限り、この間に途中経過は届かない。 査読報告を作成中です。詳しくはRequired Reviews Completed・Awaiting Reviewer Scoresの意味をさらに詳しくをご覧ください。 待つ。
Awaiting Recommendations / Awaiting AE Recommendation 査読者が報告を提出し、アソシエイト・エディター(AE)が査読結果をまとめて推薦案を作成している。 AEを置くジャーナルでは、EMの「Required Reviews Completed」に相当します。 待つ。
Awaiting Decision / Awaiting EIC Decision エディターが査読結果とAEの推薦を受け取り、最終判定を行っている。完了すると判定メールが届く。 最終判定を作成中です。 待つ。
Decision in Process Silverchairの一般的な定義:判定は内部で決まっているが、まだ著者に通知されていない。編集部が通知メールを準備している。SAGEの著者向けヘルプでは、エディターが査読者のコメントと自身の評価にもとづいて判定を検討している段階とされている[SAGE]。 Silverchairの定義では、結果はすでに出ており、送付を待っている状態です。SAGEの定義では、エディターがまだ判定を検討している状態です。どちらに当たるかは出版社によって異なります(Decision in Processの意味と期間を詳しく)。 待つ。
Revise* 判定が下され、修正が求められた[SAGE]。 修正の判定です。 判定通知を読み、修正の計画を立てる。
Revision Submitted / Awaiting Reviewer Selection (Revised) 修正稿が提出された。再び査読に回るか、再査読なしでエディターが判定する。 2回目の審査です。 待つ。
Accepted 掲載が決まった。 次は制作工程です。 制作部門からのメールを確認する。
Rejected / Reject and Transfer このジャーナルでは採択されなかった。「Reject and Transfer」の場合は、編集部が別のジャーナルへの転送を提案することがある。 このジャーナルでの最終結果です。 転送の提案を検討するか、新しい投稿先を考える。
Withdrawn 著者の申し出または編集部の判断により、審査手続きから外された。 — —

補足行や、2つのステータスが同時に表示される場合について:ジャーナルによっては、2つのステータスが同時に表示されたり、ステータスの横に補足の行が表示されたりします。SilverchairとSAGEのどちらのページにもその定義はないため、本記事では推測しません。判断がつかないときは、Author Centerの Contact Journal リンクから問い合わせるのが確実です(第6節)。

「Editor Assigned」「Reviewers Assigned」など、どちらの表にもない表示

とくにSpringer Natureのジャーナルでは、Editor Assigned や Reviewers Assigned といった表示について検索する研究者が多くいます。これらはジャーナルごとに設定された表現です(原則1)。Springer Nature自身の著者サポートページは、投稿後の編集プロセスを Initial quality check、Editor assigned、Peer review、Decision の4段階で説明しています[資料O8]。一方、「Reviewers Assigned」の定義は、Springer NatureとElsevierのどちらの公開ヘルプページにも見当たりません。公式の意味を推測するのではなく、見慣れない表示は順序上の位置で読み解いてください。

表示 図1での位置 根拠の確かさ
Editor Assigned 段階③(担当エディターが決まっている) Springer Natureが用いている段階名[資料O8]
Reviewers Assigned 段階④(査読者を探している)と段階⑤(査読中)の間 確認した公開ヘルプページには定義がなく、順序のみに基づく位置づけ
Under Review → Reviewers Assigned(逆戻り) 段階④に戻った状態。査読者の再依頼や交代と矛盾しない 順序からの推定(第4節の3と同様)。判定を示すものではない

本記事で扱っていない表示については、そのジャーナルの投稿規程や編集部の説明が最も確かな情報源です。

日本の学会誌に投稿している場合

日本の学会誌にも、Editorial Managerを使っているものが多くあります。EMの日本総代理店である株式会社アトラスは、Ver.24.09の新機能案内のなかで、システムメールと画面の日本語対応は「開発検討中」であると説明していました[資料O9]。そのため、日本のジャーナルに投稿した場合でも、本記事で紹介したものと同じ英語のステータス表示になると考えておくのが無難です。同じリリースでは、エディター向けに「Editor Required Reviews Status Report」が追加されました。これは、たとえば最後に査読者へ依頼してからの日数などで投稿を絞り込み、担当エディターにリマインダーを送れる機能です[資料O9]。編集部側には遅れている査読を督促する手段があるわけで、著者が早すぎる段階で催促しなくてよい理由の一つといえます。

4. 2つのシステムの対応表:段階ごとにステータスを照らし合わせる

Editorial ManagerとScholarOne Manuscriptsの投稿ステータス対応表。①著者の操作待ちから⑧決定の通知までの8段階について、両システムの表示名と、いま動くのが著者・編集部・エディター・査読者のどれかを示した図
図1. 投稿システムのステータス対応表:同じ段階でも表示名が違う。8つの段階ごとに、Editorial ManagerとScholarOneの表示名と、その時点で動く人を示しています(出典:Elsevier Journal Article Publishing Support Center〔2026年8月28日更新〕、Silverchair Support、SAGE Journals Solutions。2026年10月1日確認)© editverse.com

図の読み方:8段階のうち6段階では、作業はジャーナル側にあります。著者が動く必要があるのは、最初(承認・差し戻し)と最後(判定の通知)の2か所だけです。

この対応表から、次の4点が見えてきます。

  1. EMの「Under Review」はScholarOneより早く始まります。ElsevierはUnder Reviewを「査読者に依頼が送られた」状態と定義しています[資料O1]。一方ScholarOneでは、依頼の段階に独自の表示(Awaiting Reviewer Selection/Assignment)があります[資料O2]。そのため、EMで「Under Review」と表示されていても、まだ査読を引き受けた人がいない場合があります。EMで1か月「Under Review」が続いても、1か月間査読が行われていたとは限りません。
  2. 「Decision in Process」の定義が異なります。Elsevierでは、エディターがシステム上で判定の作業を開始した状態です。ジャーナルによっては複数のエディターが判定を確認する必要があり、エディターが追加の査読を求めたり別のエディターを割り当てたりして、前のステータスに戻ることもあります[資料O1]。ScholarOneについてSilverchairの一般的な定義では、判定はすでに決まっており、通知がまだという状態です[資料O2]。一方、ScholarOneを使うSAGEの著者向けヘルプでは、エディターが査読者のコメントと自身の評価にもとづいて判定を検討している段階とされています[資料O3]。いずれにしても、結果を推測することはできません。EMで「Decision in Process」がしばらく変わらない場合(Minor Revision後であっても)は、この複数エディターによる確認の手順と矛盾しません。ScholarOneはジャーナルごとに設定されるため、投稿先の出版社が示している表現を確認してください(詳しくはDecision in Processの意味と期間を詳しく)。
  3. ステータスの行き来は珍しくありません。Elsevierは、必要な査読がそろった後でも「the status may later return to ‘Under Review’ if additional reviews are sought」(追加の査読が求められれば、ステータスは後で「Under Review」に戻ることがある)と明記しています[資料O1]。これは時間が延びることを意味するだけで、判定ではありません(査読者のコメントが食い違っている場合は査読者の矛盾コメント対処法を参照)。
  4. 著者が動くべき2か所こそ、見落とされがちです。EMの「Needs Approval」や、ScholarOneのAuthor Centerに表示される対応待ちの項目は、著者が応じるまで手続き全体を止めてしまいます。Silverchairは、ステータスが動かないときの最初の確認事項として、Author Centerに対応待ちの項目がないか、迷惑メールフォルダにジャーナルからのメールが入っていないかを挙げています[資料O2]。

5. 各ステータスはどのくらい続くか:実データでわかること・わからないこと

Elsevierのステータス解説ページには、どのステータスの所要期間も書かれていません。Silverchairも、査読者選びについて「数日から数週間かかることがある(days to weeks depending on reviewer availability)」と述べているだけです。また、ジャーナルはステータスごとの所要時間をPubMedに登録していません。「With Editorは通常n日」と書かれた記事は、個人の体験談から一般化しているにすぎません。一方で公開されているのが、多くのジャーナルがPubMedに登録している受付日(Received)と採択日(Accepted)です。研究者はまさにこの日付を使って、PubMed全体の査読期間を測定しています[文献3]。この日付からは、すべてのステータスを合わせた待ち時間全体(著者が修正に費やした期間を含む)を、根拠をもって把握できます。

実例:7誌1,041本の採択論文(PubMedの実データ)

取得方法(2026年10月1日):NCBI E-utilitiesを用いて、2025年1月1日〜6月30日にPubMedに収載された(Entrez date)7誌の Journal Article 型の記録をすべて抽出しました。総説、論説、レター、コメント、正誤表、撤回告知は除外しています。対象は、日本の研究者もよく投稿する大規模オープンアクセス誌3誌(PLOS ONE、Scientific Reports、Heliyon)と、日本の学会が発行する英文誌4誌(Cancer Science、Journal of Diabetes Investigation、Geriatrics & Gerontology International、Pediatrics International)です。大規模誌は各200件を無作為抽出(シード固定)し、学会誌は全件を対象としました。各記録の received と accepted の履歴日付を読み取り、その差を日数で計算しました。抽出した1,066件のうち、両方の日付があったのは1,041件です。

1誌分の検索式は次のとおりです。

"Cancer Sci"[ta] AND journal article[pt] AND 2025/01/01:2025/06/30[edat]
NOT (review[pt] OR editorial[pt] OR letter[pt] OR comment[pt] OR published erratum[pt]
     OR retraction of publication[pt] OR retracted publication[pt])

(最初に試した BMJ Open と Journal of Epidemiology の2誌は、受付日・採択日をPubMedに登録していないため、対象にできませんでした。)

Rコード(集計部分、実行したもの):

df <- readRDS("submission-status-meanings-days.rds")   # 列: journal, days(受付日→採択日)
s <- do.call(rbind, lapply(split(df$days, df$journal), function(d) data.frame(
  n = length(d), median = median(d),
  q1 = unname(quantile(d, .25)), q3 = unname(quantile(d, .75)),
  p90 = unname(quantile(d, .9)),
  share_le90  = round(mean(d <= 90)  * 100, 1),
  share_gt365 = round(mean(d > 365) * 100, 1))))
s[order(s$median), ]

出力(R 4.3.3):

ジャーナル n 中央値(日) Q1〜Q3(中央50%) 90パーセンタイル 90日以内に採択 1年超
J Diabetes Investig 95 96 66〜136 171 46.3% 0.0%
Cancer Sci 117 117 81〜149 184 29.1% 0.0%
Geriatr Gerontol Int 88 134.5 91〜192 310 25.0% 4.5%
Sci Rep 200 137.5 101〜197 262 15.5% 2.0%
PLoS One 194 165.5 102〜235 319 18.6% 5.2%
Heliyon 184 172.5 118〜242 319 13.6% 4.3%
Pediatr Int 163 182 133〜259 336 5.5% 6.7%
全1,041本 1,041 144 101〜215 292 19.3% 3.6%

(四分位数は整数日に丸めています。Rのデフォルトの分位点計算法を使用。)

PubMedに収載された7誌の採択論文1,041本について、受付日(Received)から採択日(Accepted)までの日数を示した箱ひげ図。中央値はJ Diabetes Investig 96日、Cancer Sci 117日、Geriatr Gerontol Int 134.5日、Sci Rep 137.5日、PLoS One 165.5日、Heliyon 172.5日、Pediatr Int 182日
図2. 受付日(Received)から採択日(Accepted)までの日数。7誌の採択論文1,041本。点は論文1本、箱は中央50%、太線は中央値(データ:PubMed E-utilitiesの履歴日付、2026年10月1日取得)© editverse.com

図の読み方:この7誌では、典型的な採択論文は受付日から採択日まで約5か月(中央値144日)かかり、90日以内に採択されたのはおよそ5本に1本でした。数週間ステータスが変わらないこと自体は、それだけでは珍しいことではありません。

このデータを正しく読むために

  • 1つのステータスではなく、全行程の時間です。受付日から採択日までの期間には、図1のすべてのステータスに加え、著者が修正に費やした数週間も含まれます。7誌のうち5誌は「revised」(修正稿受付)の日付も登録しており、この5誌では採択論文647本のうち640本(98.9%)にその日付がありました。つまり、ほぼすべての採択論文が少なくとも1回は修正を経ています(PLOS ONE と Scientific Reports は修正稿受付日を登録していないため、この方法では確認できません)。
  • 採択された論文だけのデータです。不採択の論文には採択日がないため、このデータから不採択までの期間はわかりません。この点については、SciRevに寄せられた著者による査読体験3,500件の分析で、即時(デスク)リジェクトまでに2週間を超えたジャーナルが3分の1、4週間を超えたジャーナルも6分の1あったと報告されています[文献1]。したがって、「With Editor」が長く続いていることだけでは、査読に回ったとは判断できません。
  • 「受付日」の定義はジャーナルによって異なります。初回投稿日を記録するジャーナルもあれば、修正稿の受付日を記録するジャーナルもあります。ジャーナル間の比較は、ある程度幅をもって読む必要がある理由の一つです。
  • 規模感は他のデータとも一致しています。韓国の医学雑誌10誌、4,762本を対象とした研究では、受付日から採択日までの期間(acceptance lag)の中央値は102日(Q1〜Q3:65〜149日)でした[文献2]。今回のデータのうち、比較的速いジャーナルと同じ範囲です。
  • 著者の属性も関係しうるという報告があります。PubMed全体を対象とした分析では、女性研究者の論文の査読期間の中央値が7.4〜14.6%長く、低所得国の著者の論文でも査読期間が長いことが示されています[文献3]。待ち時間は、ジャーナルの特性だけで決まるわけではありません。

ご自身のダッシュボードを見るときは:役に立つ目安は一般論ではなく、投稿したジャーナル自身の数値です。Elsevierは、多くのジャーナルで実際の編集・制作期間をジャーナルのホームページで確認できると案内しています。Journal Insights プログラムに参加しているジャーナル(まだ全誌ではありません)では、「Review Time」のリンクから、過去数年間の初回判定・最終判定までの平均週数を見ることができます[資料O6]。他の出版社でも、ジャーナルのホームページや投稿規程に同様の数値がないか探してみてください。経過日数は、別の分野の知人の論文ではなく、その数値と比べることが大切です。

6. 編集部に問い合わせるタイミングと方法

両システムの公式ガイダンスが示す方向は同じです。

  1. まず、自分が対応すべきことが残っていないか確認します。EMなら「Needs Approval」や「Sent Back to Author」になっていないか、ScholarOneならAuthor Centerに対応待ちの項目がないかを確認し、迷惑メールフォルダにジャーナルからのメールが届いていないかも見てください[資料O1、O2]。
  2. ジャーナルが公表している期間と比べます。Elsevierのガイダンスは「If you are waiting considerably longer to receive a decision from the Editor than the average review speed indicates, you can contact the Editor」(平均的な査読期間よりかなり長く判定を待っている場合は、エディターに連絡できる)としています。ただし、連絡できるのは責任著者(corresponding author)のみです[資料O6]。
  3. エディター個人へのメールではなく、システムを使います。ScholarOneではAuthor Centerの Contact Journal リンクを使います[資料O2]。EMでは、システム経由で、またはジャーナルのホームページに記載された連絡先から編集部に問い合わせます。
  4. 短く丁寧なメッセージを1通送ります。原稿ID、タイトル、投稿日、現在のステータスを記載し、進捗について確認したい旨を伝えます。初回の問い合わせと、再査読が遅れている場合の英文テンプレートは査読・修正サイクルの期間ガイドに掲載しています。一から書くより、こちらを使うことをおすすめします。
  5. 待っている間に他誌の「様子見」をしてはいけません。ICMJEは「Authors should not submit the same manuscript, in the same or different languages, simultaneously to more than one journal」(著者は同じ原稿を、同じ言語であれ異なる言語であれ、複数のジャーナルに同時に投稿すべきではない)と定めています[資料O7]。投稿先を変えると決めた場合は、正式に取り下げ(withdraw)の手続きをとり、確認を受けてから次に進んでください(プレプリントは別の話で、多くのジャーナルが認めています。プレプリントの使い方を参照)。

ステータス別のヒント

定義は第2節・第3節によります。根拠のない所要日数は記載していません。

表示されているステータス 「止まっている」主な理由 妥当な対応
Incomplete / Needs Approval(EM) 著者の対応待ち。 すぐに対応する。
Submitted to Journal(EM)/Awaiting Admin Processing(ScholarOne)が長く続く 編集部の作業の滞留、または書類の不足。 メールとAuthor Centerに依頼が届いていないか確認する。何もなく、ジャーナルの通常の期間を大きく超えていれば編集部に問い合わせる。
With Editor(EM) エディターがデスクリジェクトかどうかを判断中、または(EMでは)査読者を探している。 待つ。デスク判定に数週間かかるジャーナルもある[文献1]。
Awaiting Reviewer Selection/Assignment(ScholarOne) 査読者がまだ確保できていない。エディターが再依頼している可能性がある。 待つ。この段階で著者にできることはない。
Under Review / Awaiting Reviewer Scores 査読者の作業が遅れている。 ジャーナルが公表している査読期間を明らかに超えてから問い合わせる。
Required Reviews Completed(EM)/Awaiting AE Recommendation・EIC Decision(ScholarOne) エディターが査読報告を読んでいる。追加の査読者が必要になった可能性もある。 基本的には待つ。ジャーナルの通常の期間を大きく超えていれば問い合わせてもよい。
Decision in Process 判定を入力中で、EMのジャーナルによっては複数のエディターが確認している(EM)。ScholarOneでは出版社によって異なり、判定は決定済みで通知を準備中(Silverchairの定義)、またはエディターが検討中(SAGEの定義)。 待つ。
Editor Assigned / Reviewers Assigned(ジャーナル独自の表示) 図1の段階③または④(第3節の補足を参照)。 待つ。対応する段階として読む。

7. 待ち時間を有効に使う

次の段階が修正になる可能性が高いなら(多くのジャーナルではそうです)、待ち時間は無駄になりません。ステータスが「Under Review」の間に、次の準備をしておきましょう。

ステータスが「Revise」に変わったら

判定通知(decision letter)をそのままお送りください。平日24時間以内に、すべての査読コメントを無料で確認し、作業量、再解析の要否、確定見積もりと納期をお知らせします。査読対応サポート(論文1本あたり定額¥29,800)には、コメントごとの対応表、Response to Reviewersレター、修正箇所の英文校正、エディター宛てのカバーレターが含まれます。査読が2回目以降に及んでも、採択まで追加料金なしでサポートを継続します。科学的な判断は著者・共著者の皆さまが行い、私たちは選択肢を整理してお示しします。

査読者から統計について指摘を受けている場合は、査読対応・統計再解析(¥98,000)で、再解析とMethods・Resultsの修正まで対応します。

採否はジャーナルの編集者・査読者が判断します。私たちがお約束するのは、採択まで追加料金なしでサポートを継続することです。

査読対応サポートの詳細を見る / 無料診断を申し込む(査読対応・リバイス支援)

まだ投稿前の方は、投稿先の選定から査読対応・再投稿までを一つの契約で進められる投稿から採択まで|伴走パッケージ(¥298,000)もご検討ください。

まとめ

  • ステータスが示すのは段階と、次に動く人であり、結果ではありません。表示名はEditorial ManagerとScholarOneの間でも、ジャーナルの間でも異なります。
  • 著者が動く必要があるのは2か所だけです。最初(Incomplete、Needs Approval、Sent Back to Author、Author Centerの対応待ち項目)と、判定のときです。その間はジャーナル側の作業です。
  • 定義の違いに注意しましょう。EMの「Under Review」は査読者への依頼の時点で始まります。「Decision in Process」は、EMでは「判定作業の開始」、ScholarOneではSilverchairの定義で「判定済みで通知待ち」、SAGEの定義で「エディターが検討中」を意味します。追加の査読が求められると「Under Review」に戻ることがありますが、悪い知らせとは限りません。
  • 実際の待ち時間は長く、ばらつきも大きいものです。7誌の採択論文1,041本では、受付日から採択日までの中央値は144日(中央50%:101〜215日)で、90日以内に採択されたのは19.3%でした。
  • 目安は投稿したジャーナルが公表している査読期間です。それを大きく超えた場合にのみシステム経由で問い合わせ、審査中の原稿を他誌に投稿することは避けてください。

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よくある質問

Q. 「Required Reviews Completed」や「Decision in Process」になったら、採択されるということですか?

いいえ。どちらも段階を示す表示で、判定メールが届く前に結果を示すステータスは、どちらのシステムの公式定義にもありません(「Required Reviews Completed」の詳細はRequired Reviews Completed・Awaiting Reviewer Scoresの意味をさらに詳しく、「Decision in Process」の詳細はDecision in Processの意味と期間を詳しく)。

Q. Editorial Managerで何週間も「Under Review」のままです。査読者は作業しているのでしょうか?

必ずしもそうとは限りません。Elsevierは「Under Review」を、査読者に依頼が送られた時点から始まる状態と定義しています。そのため、その期間の一部は査読者の承諾を待っている時間かもしれません。編集部に問い合わせる前に、経過日数をジャーナルのホームページで公表されている査読期間と比べてください。

Q. ステータスが「Required Reviews Completed」から「Under Review」に戻ったのはなぜですか?

Elsevierは、追加の査読が求められた場合にステータスが「Under Review」に戻ることがあると説明しており、これは判定ではありません(詳しくはRequired Reviews Completed・Awaiting Reviewer Scoresの意味をさらに詳しく)。

Q. ジャーナルに問い合わせるまで、どのくらい待てばよいですか?

すべてのジャーナルに共通する日数はありません。Elsevierのガイダンスでは、ジャーナルの平均的な査読期間より「かなり長く」(considerably longer)待っている場合に、責任著者がエディターに連絡できるとされています。参考までに、本記事で分析した採択論文1,041本では、受付日から採択日までの中央値は修正期間を含めて144日でした。

Q. Editorial ManagerとScholarOneは何が違うのですか?

どちらも論文投稿システムですが、別の製品です。Editorial ManagerはAries Systems社が開発し、Elsevierをはじめ多くの出版社が利用しています。ScholarOne Manuscriptsは現在Silverchairがサポートしており、同社は2024年10月にClarivateからの買収契約を発表しました。原稿が進む段階は同じですが、各段階の表示名が異なります(本記事の図1を参照)。

参考資料

PubMed収載文献(2026年10月1日、PubMedツールとNCBI efetchで確認)

  1. Huisman J, Smits J. Duration and quality of the peer review process: the author’s perspective. Scientometrics. 2017;113(1):633-650. doi: 10.1007/s11192-017-2310-5. PMID: 29056794.
  2. Lee Y, Kim K, Lee Y. Publication Delay of Korean Medical Journals. J Korean Med Sci. 2017;32(8):1235-1242. doi: 10.3346/jkms.2017.32.8.1235. PMID: 28665057.
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  • O2. Silverchair Support. “ScholarOne Manuscript Status Definitions.”:support.silverchair.com
  • O3. SAGE Journals Solutions. “How can I check the status of my submitted paper?”:journalssolutions.sagepub.com
  • O4. Wolters Kluwer. “Decoding your manuscript’s status in Editorial Manager”(2020年7月7日更新):wolterskluwer.com
  • O5. Silverchair. “Silverchair to Acquire ScholarOne from Clarivate to Expand Investment & Innovation in Critical Publishing Technology”(2024年10月28日発表):silverchair.com
  • O6. Elsevier, Journal Article Publishing Support Center. “When can I expect a decision from the Editor?”(2026年8月4日更新):elsevier.support
  • O7. ICMJE Recommendations. “Overlapping Publications”:icmje.org
  • O8. Springer Nature Support. “Editorial process after submission”(2024年11月20日更新):support.springernature.com
  • O9. 株式会社アトラス(Editorial Manager 日本総代理店)「Editorial Manager Ver.24.09 新機能のご案内」(2024年8月30日):editorialmanager.jp
  • データ:NCBI E-utilities(esearch/efetch)、PubMedの履歴日付、2026年10月1日取得:Entrez Programming Utilities Help

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