英文校正証明書とは|査読で「英語の改善」を求められた時の回答例文
査読者から「英語の校正が必要です(The English needs editing)」「ネイティブスピーカーのチェックを受けてください」と指摘されたときに効くのは、次の3つです。①指摘された文だけでなく原稿全体を校正する、②回答レターに「何を直したか・誰が校正したか・どこで確認できるか」を1行で明確に書く、③ジャーナルやエディターが求めている場合は英文校正証明書を添付する(求められていなければ任意の裏付け資料です)。英文校正証明書は校正を受けたことの記録であって、品質の保証ではありません。私たちが確認したジャーナルの規程にも、証明書を品質の保証として扱うものはありませんでした。
この指摘を受けるのは、あなただけではありません。2021年に環境科学分野の研究者908人を対象に行われた調査では、日本人回答者の46.9%が、修正(リバイス)の際に英語の改善を「よく・ほとんど毎回・必ず」求められると答えました。英国人回答者では1.8%です。第2節では、この数値を論文の公開データからRで再現します。
1. 「英語を直してください」という指摘は何を意味するか
「英語の校正が必要」という指摘は、研究の伝え方についての要望であり、研究の中身に対する判定ではありません。ただし、査読者がこの2つをいつも区別しているとは限らないため、同じ言葉でもまったく違う意味を持つことがあります。
翻訳者・編集コンサルタントのKaren ShashokはBMC Medical Research Methodologyで、この問題を次のように指摘しています。エディターや査読者は「内容の基準と文章の基準を必ずしも明確に区別していない」。そして両者を混同すると、「著者がフィードバックを誤解し、読み手にとって読みやすくならない形で文章を修正してしまうことがある」[文献1]。実際には、英語に関する指摘はおおむね次の4つのタイプに分けられます。
| 典型的な表現(例) | 多くの場合の意味 | 対応 |
|---|---|---|
| “The manuscript would benefit from English editing.”(具体例なし) | 全体的な印象。査読者は個々の誤りを指摘していない | 原稿全体を校正し、回答レターで1行で報告する。英文校正証明書が裏付けとして役立つ |
| “Line 112: ‘was increased’ should be ‘increased’…”(具体的な指摘) | 修正されることを査読者が期待している、具体的な訂正 | 1つずつ直したうえで残りの部分も校正し、指摘ごとに回答する |
| “Several passages in the Methods are hard to follow.” | 文法ではなく、明瞭さや構成の問題、あるいは記載不足であることが多い | 文法だけでなく、論理と情報の過不足を見直して書き直す(第5節) |
| エディターの判定通知:”Please have the paper professionally edited before resubmission.” | エディターが判定の条件として設定したもの | 必須として扱う。証拠(証明書)の提出を求めているかを確認する |
データがしっかりしていても、英語は軽視できません。Politzer-Ahlesらのランダム化研究では、研究者に同じアブストラクトの2つのバージョンを評価してもらいました。科学的な内容は同一で、一方は標準的な国際学術英語、もう一方はそれに沿っていない(ただし理解は可能な)英語で書かれたものです。結果は予備的で統計的には結論が出ていませんが、事前登録した解析と探索的解析のどちらも、「文章が国際的な学術英語の標準に沿っていない場合、研究者はアブストラクトの科学的な質を低く評価する可能性がある」ことを示唆していました[文献2]。また、Cardiovascular Researchに投稿された原稿120本を分析した過去の調査では、英語の誤りの数と採択とのあいだに直接の関係は見られなかったものの、「書き方の悪い論文は不採択率の高さと相関しているという明確な兆候」が認められました[文献3]。英語は研究そのものではありません。しかし、研究がどう読まれるかを左右します。
2. 実データで見る:日本人研究者はどのくらいこの指摘を受けているか(R)
データ:Amanoらは2021年6月〜10月に、8つの国籍の環境科学分野(生態学、進化生物学、保全生物学および関連分野)の研究者908人を対象に調査を行いました。そのうち294人が日本人の回答者です[文献4]。この研究は、図2B(「筆頭著者として執筆した英語論文の修正の際に、英語の改善を求められた頻度」)の元になった回答数をS1 Data(CC BY 4.0)として公開しています。このファイルでは、回答者が英語力と所得水準の組み合わせでグループ分けされています。研究自体が国籍をこの2軸で層別しているため、「英語力が低い+高所得」のグループが日本人、「英語ネイティブ+高所得」のグループが英国人に対応します[文献4]。
コード(R 4.3、ggplot2):S1 Dataのシートの29行をRに入力し、各グループの回答を3つの区分にまとめました。
library(ggplot2)
# d = S1 Data のシート "Fig2B":lang | inc | freq | n(29行、Amano et al. 2023)
d$band <- ifelse(d$freq == "Never", "Never",
ifelse(d$freq %in% c("Often", "Most of the time", "Always"), "Often+", "Some"))
tab <- aggregate(n ~ lang + inc + band, d, sum)
tot <- aggregate(n ~ lang + inc, d, sum); names(tot)[3] <- "total"
tab <- merge(tab, tot); tab$pct <- round(100 * tab$n / tab$total, 1)
出力(抜粋):
lang inc band n total pct
English native High Often+ 2 110 1.8 # 英国
English native High Never 90 110 81.8
Low proficiency High Often+ 135 288 46.9 # 日本
Low proficiency High Some 118 288 41.0
Low proficiency High Never 35 288 12.2
# 論文本文の統合値との照合
English native Often+ 5 / 149 = 3.4%
Moderate proficiency Often+ 114 / 268 = 42.5%
Low proficiency Often+ 197 / 462 = 42.6%
統合値は論文本文の数値と完全に一致します。英語力が中程度の国籍の非ネイティブ話者の42.5%、英語力が低い国籍の非ネイティブ話者の42.6%に対し、ネイティブ話者は3.4%でした。著者らはこれを「非ネイティブ話者では、英語に関する修正を求められる頻度が12.5倍高い」と表現しています[文献4]。日本人回答者294人のうち、この質問に回答したのは288人です。

図の読み方:日本人研究者にとって、英語の改善を求められるのは危険信号ではなく、ごく普通のことです。「一度もない」と答えた日本人回答者は、約8人に1人にすぎません。
同じ論文の数値をあと2つ紹介します。
- 修正だけでなく、不採択も。英語論文を1本発表したことのある研究者のうち、英語力が低い国籍(日本を含むグループ)の非ネイティブ話者の35.9%が、英語の文章を理由に論文を不採択とされた経験がありました。ネイティブ話者では14.4%です[文献4]。
- 日本ではすでに英文校正の利用が一般的です。この研究では、「英語力が低い国籍で、所得水準が高い(すなわち本研究のサンプルでは日本人)」回答者は、専門の英文校正サービスを利用する傾向があることがわかりました[文献4]。つまり、英語の指摘が多いのは、単に校正を受けていないグループだからではありません。だからこそ、校正したことを査読者に見える形で示すことが大切です(第3〜4節)。
この例の限界:データは自己申告で、1つの広い分野(環境科学)のものです。また、示しているのは英語の改善を求められた頻度であり、英語が実際に直す必要があったかどうかではありません。公開データの回答選択肢はグループによって少し異なり(日本人グループの選択肢には “rarely” や “often”、英国人グループには “about half the time” や “most of the time” が含まれます)、3区分はおおよそのものです。ただし区分は論文自体のまとめ方に従っており、そのため統合値が一致します。このデータからわかるのは、この指摘が日本人著者にとって日常的なものだということであり、特定の査読者があなたの原稿をどう読むかまではわかりません。
3. 対応の4ステップ

図の読み方:証明書は最後の、いちばん小さなステップです。実際に効くのは、校正された本文と回答レターの1行です。
ステップ1:指摘を読み分ける
(a) 査読者が具体的に挙げた箇所、(b) 「英語の校正が必要」という全般的な指摘、(c) エディターが判定通知で設定した条件、の3つを分けて考えます。エディターの条件(「専門の英文校正を受けてください」など)は任意ではなく、ジャーナルによってはその証拠の提出を求めます(第4節)。2人の査読者の意見が食い違う場合(一方は英語をほめ、もう一方は批判している場合)は、そのことを丁寧に伝え、判断をエディターに委ねましょう。書き方は査読者の矛盾コメント対処法で解説しています。
ステップ2:引用された文だけでなく、原稿全体を校正する
全般的な指摘をする査読者は、たいてい最初の数ページで誤りの指摘をやめています。挙げられた例だけを直しても残りはそのままで、2回目の査読で同じ指摘を受ける原因になります。アブストラクト、図の説明文(figure legend)、表の脚注など、査読者が最初に読む部分も含めて、本文全体を校正してください。
安全に校正を進めるためのルールは3つです。
- 研究の中身は変えない。英文校正で結果、解釈、結論を変えてはいけません。ICMJE推奨(ICMJE Recommendations)では、「執筆支援、技術的な編集、英文校正(language editing)、校正(proofreading)」は、それだけでは著者資格の対象とならない活動とされ、こうした貢献者は「謝辞に記載できる」とされています[資料O1]。研究の内容と、それに関するすべての判断は著者のものです。
- 変更履歴を残す。修正稿とあわせて変更履歴付きの版の提出を求めるジャーナルは多く、査読者が校正の実施を確認する手段にもなります。
- 校正後の原稿を著者の目で読み直す。優れた校正者は、意味があいまいな箇所を推測で直さず、質問として返します。その質問には必ず答えてください。最終版は共著者全員で確認しましょう。
英文の推敲に生成AIツールを使う場合は、ジャーナルの開示ルールを確認してください。ICMJEは現在、「執筆支援へのAIの使用は謝辞に記載すべき」としており[資料O1]、ツール名と編集した箇所の申告を求めるジャーナルもあります[資料O6]。詳しくは学術論文執筆におけるAI活用:リスク、ルール、開示義務をご覧ください。
ステップ3:回答レターに書く
査読者が知りたいのは、何を直したか、誰が校正したか、どこで確認できるか、の3点です。長いお詫びよりも、1〜2か所の具体例のほうが説得力があります。回答レターには英語のまま記載します。次の例文を参考にしてください(和訳は内容確認用です)。
(a) 全般的な指摘に対し、専門の英文校正を受けた場合
Comment 1.3: The English needs editing.
Response: Thank you for this comment. The entire manuscript has been edited by a professional academic editor in our field. The edits improved grammar, terminology consistency and the clarity of the Methods and Discussion (e.g., p. 7, lines 140–152; p. 15, lines 301–310). All changes are shown in the tracked-changes version, and the editing certificate is provided as a supplementary file.
(和訳)ご指摘ありがとうございます。原稿全体について、当該分野の専門の学術英文校正者による校正を受けました。文法、用語の一貫性、MethodsとDiscussionの明瞭さを改善しています(例:7ページ140〜152行、15ページ301〜310行)。すべての変更は変更履歴付きの版で確認でき、英文校正証明書を補足ファイルとして提出します。
(b) 具体的な箇所を指摘された場合
Comment 2.4: Several grammatical errors, e.g., line 56 and line 233.
Response: Thank you. We have corrected the sentences at lines 56 and 233 (now lines 58 and 240) and, in addition, had the whole manuscript language-edited to remove similar errors elsewhere. All changes are tracked.
(和訳)ありがとうございます。56行目と233行目の文を修正しました(現在は58行目と240行目)。あわせて、ほかの箇所の同様の誤りをなくすため、原稿全体の英文校正を受けました。すべての変更は変更履歴に残しています。
(c) 査読者が標準的な専門用語を「訂正」してきた場合
Comment 1.6: “Kaplan–Meier estimate” should be “Kaplan–Meier estimation”.
Response: Thank you for reading the text so carefully. We have kept “Kaplan–Meier estimate”, which is the standard term for the survival function estimated by this method, and we have revised the surrounding sentence (p. 9, line 188) so that the meaning is clearer.
(和訳)丁寧にお読みいただきありがとうございます。「Kaplan–Meier estimate」は、この方法で推定した生存関数を指す標準的な用語であるため、そのまま残しました。そのうえで、意味がより明確になるよう前後の文(9ページ188行)を修正しました。
これらの例で避けていることにも注目してください。英語が本当に悪かったかどうかを査読者と議論せず、著者の国籍にも触れていません。レター全体の構成は、査読コメントへの回答の書き方と査読反論レター(Rebuttal Letter)のテンプレートをご覧ください。
ステップ4:証明書を添付するかどうかを決める
これはジャーナルによって異なります。次の節で、公式の規程から見つかった3つのパターンを紹介します。
4. 英文校正証明書について、ジャーナルは実際に何と言っているか
英文校正証明書(English editing certificate)とは、校正者または校正会社が、特定の原稿の英文校正を行ったことを記した短い書類です。通常は原稿のタイトル、日付、校正者名または会社名が記載されます。校正が行われたことの証拠であって、最終的な文章がジャーナルの水準を満たしていることを第三者が評価したものではありません。また、英文校正が採否を決めるものではないことを、ジャーナル自身がはっきり述べています。
私たちは出版社とジャーナルの規程を直接確認しました(いずれも2026年10月1日閲覧、引用は10月5日に公開ページで再確認)。規程は次の3つのパターンに分かれます。
| パターン | 例(公式の記載・訳) | 著者にとっての意味 |
|---|---|---|
| A. 英文校正サービスの案内はあるが、証明書への言及はない | Springer Nature(英文校正サービスを紹介している著者向けチュートリアルのページ):「編集サービスの利用は、掲載の要件でも採択の保証でもありません(”neither a requirement nor a guarantee of acceptance for publication”)」[資料O2] | 必要なら校正を受ける。証明書は任意。校正したことは回答レターに書く |
| A′. 採択後のコピーエディットがない(投稿時点で英語が整っている必要がある) | PLOS ONE:「PLOS ONEは採択された原稿のコピーエディットを行わないため、投稿論文の英語は明確で正確、かつあいまいさのないものでなければならない。この基準を満たさない論文は不採択とすることがある」。修正稿の提出前に「独立した編集支援」を受けるよう勧めることもあります[資料O3]。Scientific Reports:「制作過程の一部として、踏み込んだコピーエディットは行っていない……投稿前または修正の段階で対応できる」[資料O4] | 掲載される文章は、あなたが書いた文章そのものです。この種のジャーナルでは、修正時の英語の指摘を真剣に受け止める価値があります |
| B. 投稿時に証明書が必須 | Journal of Nippon Medical School(JNMS):英語を母語としない著者が投稿する原稿には、「専門の英文校正者または資格のある同僚による校正を受けたことの証明を添付しなければならない……証明書は原稿とともにPDF形式で提出すること」[資料O5] | 投稿前に証明書を用意する。なければ投稿書類が不完全になる |
| C. 採択後の条件として証明書が必要 | Journal of Physical Science(Penerbit USM):編集長が英語の改善が必要と判断した場合、著者には採択原稿を専門の英文校正に出すための期間として2週間が与えられ、最終版は「校正の証明書または証拠(a certificate or proof of language editing)」を添えて返送しなければならない。AIツールによる編集は、ツール名と編集した箇所を明記して申告する[資料O6] | 判定通知をよく読む。期限が短いことがある |
この表の使い方:投稿先ジャーナルの投稿規程(Instructions for Authors)を開き、「certificate」「certification」「language editing」「native」で検索してください。規程に記載がなければ、証明書は任意です。査読者の指摘が全般的なもので、本文全体を校正したことを示したい場合に添付しましょう(上の回答例(a))。
証明書についての実務上のポイント
- 入手方法:証明書は、校正を行った人または会社が、校正の完了後に発行します。依頼する時点で発行を頼み、原稿のタイトルと日付が記載されているかを確認してください。同僚に校正してもらった場合は、ジャーナルがその同僚の証明を受け付けるかを確認します。JNMSは資格のある同僚を認めており、Penerbit USMは校正者による正式な書面での証明を求めています[資料O5][資料O6]。AIツールは証明書を発行できません。AIの使用が認められている場合は、ツール名と編集した箇所を申告する形になります[資料O6]。
- 提出方法:ジャーナルの指示に従います。たとえばJNMSは、証明書を「原稿とともにPDF形式で」提出するよう求めています[資料O5]。投稿システムに専用のファイル種別がない場合は、補足ファイル(supplementary)や「その他(other)」のファイルとしてアップロードし、回答レターまたはカバーレターでその旨に触れてください。
- 証明書が対象とするのは特定の版です。校正の後に段落を追加した場合(大幅な修正ではよくあることです)、追加部分は校正されていません。変更した箇所も校正を受け、ジャーナルが求める場合は証明書の更新を依頼してください。
- 私たちが確認した規程の多くは、「ネイティブスピーカー」であることを必須としていません。JNMSは専門の校正者または英語を母語とする資格のある同僚を認めています。Penerbit USMは、校正サービス業者、編集経験のある英語ネイティブスピーカー(その校正者による正式な書面での証明が必要)、申告済みのAIツールのいずれかを認めています[資料O5][資料O6]。投稿先の規程の正確な文言を確認してください。
- ジャーナルが求める場合は、英文校正を謝辞に記載します。ICMJEは、英文校正をそれだけでは著者資格の対象とならず、謝辞に記載できる貢献として位置づけています[資料O1]。
- 証明書は査読者の判断を覆すものではありません。専門の校正を受けた後も査読者が問題を指摘する場合、有効なのは、どの箇所がわかりにくいかを尋ねて直すことです。証明書を、査読者が間違っている証拠として持ち出すことではありません。
5. 「英語」が本当の問題ではないとき
査読者が「英語」と書いていても、実際には別のことを指している場合があります。ここでもShashokの分析が参考になります。内容の基準と文章の基準を混同した査読者のコメントは、著者を誤った方向に導くことがあります[文献1]。よくあるのは次の3つのケースです。
| 査読者のコメント | その裏によくある問題 | より良い対応 |
|---|---|---|
| “The Methods are difficult to follow.” | 手順の欠落、定義されていない変数、報告ガイドラインに沿った構成になっていない | 不足している情報を加える。CONSORT/STROBE/PRISMAの項目を確認する(EQUATORネットワークで報告ガイドラインを選ぶ方法) |
| “The Discussion is hard to read.” | 主要な知見がはっきりしない、Resultsの繰り返し、データを超えた主張 | 構成を組み直す:主要な知見 → 先行研究との比較 → 限界 → 意義 |
| “The statistical reporting is unclear.” | 効果量、信頼区間、検定名の記載がない。文法ではなく統計の問題 | 報告の仕方を直す(査読で統計を指摘されたら) |
こうしたコメントは、文法の校正だけでは解決しません。文法だけでなく論理と構成まで踏み込む実質的編集(substantive editing)や、修正全体の支援が適しています。それぞれの校正・編集がどこまで対応するかは、校正・コピーエディティング・実質的編集の違いで解説しています。
では、文章ではなく、名前や所属機関がきっかけで指摘されたのではないかと感じた場合はどうでしょうか。Politzer-Ahlesらの研究は、査読に言語的なバイアスが生じる可能性を示唆していますが、その根拠はまだ予備的なものです[文献2]。いずれにしても対応は同じです。校正し、校正したことを示し、すでに専門の校正を受けていた場合は落ち着いてそう伝え、具体的な箇所を示してもらえるよう依頼します。すべての査読を見ているエディターが判断します。
あわせて読みたい:英語以外に見落としやすい投稿前の点(倫理審査・重複・著者資格など)
6. 再投稿前のチェックリスト
- 査読者が挙げた英語の指摘をすべて直し、新しい行番号を記載した。
- 引用された行だけでなく、原稿全体(アブストラクト、図の説明文、表、補足資料の本文)を校正した。
- 校正の過程で、結果・解釈・結論を変えていない。最終版を共著者全員が確認した。
- 回答レターに、何を直したか、誰が校正したか、どこで確認できるかを、1〜2か所の例とともに書いた。
- 変更履歴付きのファイルをアップロードした。
- ジャーナルの投稿規程を「certificate」「language editing」「native」「AI」で検索した。
- 必要な場合:証明書が、修正で追加した文章を含む最終版を対象としている。
- 英文校正(およびAIツールの使用)を、ジャーナルの求めに従って謝辞などに記載した。
判定通知で英語を指摘されたら
プレミアム英文校正(¥19,800):文法にとどまらず、論理の流れや段落構成まで踏み込んで校正します。英文校正証明書、カバーレター作成、フォーマット調整が無料で付属し、365日間無制限で再校正を受けられます。修正の段階で書き換えた箇所の再校正にもご利用いただけます。
スタンダード英文校正(¥9,800〜):文法、スペル、句読点、学術英語としての表現を校正します。校正証明書の発行にも対応しています。
医学論文英文校正(¥24,800):臨床・医学系の原稿向けで、報告ガイドライン(CONSORT、STROBE、PRISMA)の準拠チェックを含みます。
英語の指摘に加えて、内容についての指摘もある場合は、査読対応サポート(論文1本あたり¥29,800)で、Response to Reviewers(回答レター)を一緒に作成し、修正稿の英文校正まで行います。採択まで追加料金なしでサポートを継続します。採否はジャーナルが判断します。原稿の内容と投稿の最終判断は、著者の皆さまのものです。
どれが合うか迷ったら、判定通知(decision letter)を無料見積フォームからお送りください。日本語でのご相談で結構です。
まとめ
- 「英語の校正が必要」という指摘は英語の修正を求めるもので、研究の中身に対する判定ではありません。ただし、英語は研究の評価のされ方に影響します[文献2][文献3]。
- 日本人著者にとって、この指摘は日常的なものです。公開された調査データでは、環境科学分野の日本人研究者の46.9%が英語の改善を「よく・ほとんど毎回・必ず」求められると回答し、英国人回答者では1.8%でした[文献4]。
- 対応は4ステップです。指摘を読み分け(具体的な指摘・全般的な指摘・エディターの条件)、研究の中身を変えずに原稿全体を校正し、何を・誰が・どこでを1行で報告し、必要な場合は証明書を添付します。
- ジャーナルによって対応は異なります。証明書に触れていないところ(Springer Nature、PLOS ONE、Scientific Reports)、投稿時に求めるところ(Journal of Nippon Medical School)、採択後に求めるところ(Journal of Physical Science)があります。投稿先の規程を確認してください。
- 証明書は校正が行われたことの記録です。査読者を納得させるのは、校正された本文と、わかりやすい回答レターです。
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よくある質問
Q. 英文校正証明書とは何ですか?
校正者または校正会社が、特定の原稿の英文校正を行ったことを証明する短い書類です。通常、原稿のタイトル、日付、校正者名または会社名が記載されます。校正が行われたことを示すものであり、採択を保証するものではありません。たとえばSpringer Natureは、編集サービスの利用は「掲載の要件でも採択の保証でもない」と明記しています。
Q. ジャーナルは英文校正証明書の提出を求めますか?
求めるジャーナルもありますが、求めないジャーナルも多くあります。Springer Nature、PLOS ONE、Scientific Reportsは著者に英文校正を案内していますが、証明書には触れていません。Journal of Nippon Medical Schoolは、英語を母語としない著者に対し、校正を受けたことの証明を投稿時に添付するよう求めています。Journal of Physical Science(Penerbit USM)は、採択後の条件として証明書を求めることがあります。投稿先の投稿規程(Instructions for Authors)を「certificate」「language editing」で検索してください。
Q. 査読者に「英語の校正が必要」とだけ書かれ、具体例がありません。どうすればよいですか?
数文だけでなく原稿全体を校正し、変更履歴を残してください。回答レターには、原稿全体を校正したこと、誰が校正したか、どこで変更を確認できるかを、1〜2か所の具体例とともに書きます。このような全般的な指摘に対しては、英文校正証明書の添付が有効な裏付けになります。
Q. 専門の英文校正を受けた原稿なのに、査読者に英語を指摘されました。どう回答すればよいですか?
査読者にお礼を述べたうえで、原稿は専門の英文校正を受けており、今回あらためて校正したことを伝えます。具体例が示されていなければ、わかりにくい箇所を教えていただけるよう依頼してください。証明書を使って査読者が間違っていると主張するのは避け、指摘された箇所を直します。最終的な判断はエディターが行います。
Q. 日本人研究者は、どのくらいの頻度で英語の改善を求められていますか?
2023年にPLOS Biologyに掲載された調査では、環境科学分野の日本人研究者の46.9%(288人中135人)が、修正の際に英語の改善を「よく・ほとんど毎回・必ず」求められると回答しました。英国人回答者では1.8%でした。非ネイティブ話者全体では、ネイティブ話者の12.5倍の頻度で、英語に関する修正を求められていました。
参考資料
PubMed収載文献(2026年10月1日、NCBI E-utilities esummary/efetchで書誌情報を確認)
- Shashok K. Content and communication: how can peer review provide helpful feedback about the writing? BMC Med Res Methodol. 2008;8:3. doi: 10.1186/1471-2288-8-3. PMID: 18237378. PMCID: PMC2268697.
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- Coates R, Sturgeon B, Bohannan J, Pasini E. Language and publication in “Cardiovascular Research” articles. Cardiovasc Res. 2002;53(2):279-285. doi: 10.1016/s0008-6363(01)00530-2. PMID: 11827675.(PubMedの出版種別:Editorial)
- Amano T, Ramírez-Castañeda V, Berdejo-Espinola V, Borokini I, Chowdhury S, Golivets M, González-Trujillo JD, Montaño-Centellas F, Paudel K, White RL, Veríssimo D. The manifold costs of being a non-native English speaker in science. PLoS Biol. 2023;21(7):e3002184. doi: 10.1371/journal.pbio.3002184. PMID: 37463136. PMCID: PMC10353817.(図1のデータ:S1 Data〔journal.pbio.3002184.s027.xlsx、シート “Fig2B”〕、CC BY 4.0)
公式資料・組織の情報源(2026年10月1日閲覧、10月5日再確認)
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- O2. Springer Nature. Author tutorials(英文校正サービスに関する記載):springernature.com
- O3. PLOS ONE. Criteria for Publication(基準5)および Submission Guidelines(”Copyediting manuscripts”):Criteria for Publication/Submission Guidelines
- O4. Scientific Reports. Submission guidelines(”Copy editing services”):nature.com
- O5. Journal of Nippon Medical School. Instructions to Authors:nms.ac.jp
- O6. Journal of Physical Science(Penerbit USM). Policy on Professional Language Editing and Proofreading:jps.usm.my(PDF)