医学統計解析の外注|依頼前の準備と納品物・著者資格
医学研究の統計解析を専門家に依頼するとき、「何を用意すればよいか」「何が納品されるのか」「論文の中でどう扱われるのか」が曖昧なまま話が進むと、手戻りや認識の食い違いが生じます。この記事では、依頼前に整理しておくこと、納品物の確認ポイント、著者資格と謝辞の考え方を、順にまとめます。
依頼前に整理しておく6つのこと
次の6点が整理されていると、依頼先は最初のやり取りで解析方針を具体的に提案でき、見積もりも正確になります。すべて確定している必要はありません。未確定の部分は、そのまま相談してください。
- 研究デザイン— ランダム化比較試験、コホート研究、症例対照研究、横断研究など。あわせて、投稿時に適用する報告ガイドライン(CONSORT、STROBE等)を確認しておきます。
- 主要アウトカムと比較の枠組み— 何を主要アウトカムとし、どの群(または曝露)を比較したいのか。
- データの形式と変数の定義— 変数名、単位、カテゴリのコード、欠測値の表記を一覧にした変数辞書があると、確認の往復が大きく減ります。
- 解析計画の状況— データを見る前に決めていた解析と、後から追加した解析は区別して伝えてください。論文中での書き分けにも関わります。
- 倫理審査の承認状況とデータの取り扱い— 匿名化の状況や、データを学外に提供してよいかは、所属機関の規程と倫理審査の承認内容に従います。
- 投稿予定のジャーナルと締切— ジャーナルによって、統計手法の記載や効果量・信頼区間の報告に関する要件が異なります。
依頼先に確認したい納品物
「解析してもらう」だけでは、論文に使える形で受け取れるとは限りません。依頼前に、次の項目が納品に含まれるかを確認しておくと安心です。
- 解析結果の表・図(論文に転載できる形式かどうか)
- 解析コードや出力ログ(査読で追加の指摘が来たときに、結果を再現できるかどうか)
- 使用した統計ソフトウェアと、その手法の説明(Methodsの統計の項に書く内容)
- 結果の解釈と、Results・Methodsの記述についての支援の有無
- 査読後の再解析が、料金に含まれるのか別料金なのか
Editverse Japanの医学統計解析サポート(¥79,800)は、研究デザインに適した統計手法の提案、記述統計・推測統計、多変量解析(回帰分析、生存分析等)、サンプルサイズ計算、結果の解釈・報告書の作成、論文のMethods・Results執筆支援までを対象としています。SPSS・R・Stata・SASに対応し、解析コードと結果レポートを納品します。納期は商品ページに記載のとおり、解析内容により通常5〜14営業日です。
解析の責任は誰にあるのか:著者資格と謝辞
統計の専門家に解析を依頼しても、研究の着想、データの解釈、結論の決定は、研究者ご自身のものです。論文でどのように扱うかは、ICMJE(医学雑誌編集者国際委員会)の著者資格基準が目安になります。
- 研究の構想・デザイン、またはデータの取得・解析・解釈に実質的に貢献したこと
- 原稿の執筆、または重要な知的内容についての批判的な改訂に関与したこと
- 最終原稿を承認したこと
- 研究のあらゆる部分について説明責任を負うことに同意したこと
ICMJEは、これらすべてを満たす人を著者とし、満たさない貢献者は謝辞に記載することを求めています。統計家が解析に深く関与した場合に、著者とするか謝辞とするかは、貢献の内容に応じて共著者間で事前に話し合っておくことをお勧めします。外部の支援を受けた範囲と、研究者本人が担う範囲の考え方は、研究に集中するために任せてよい作業・任せるべきでない作業でも整理しています。
査読で統計を指摘されたときの備え
投稿後に、多変量調整、多重比較の補正、サンプルサイズの根拠、感度分析などの指摘を受けることは珍しくありません。そのとき、解析コードが残っていれば、同じデータから短期間で再解析できます。指摘の典型例と回答のしかたは査読で統計を指摘されたら|よくある7つの指摘と回答のしかたで解説しています。再解析、修正版の図表、回答文までを一括で依頼したい場合は、査読対応・統計再解析(定額¥98,000)をご利用いただけます。
統計解析について相談したい方へ
研究デザインとデータの状況をお知らせいただければ、24時間以内を目安にお見積もりをお送りします。解析計画が固まっていなくても、そのままご相談ください。
よくある質問
解析計画が決まっていなくても相談できますか。
はい。研究デザイン、アウトカム、変数を確認したうえで、研究デザインに適した統計手法をご提案します。
データはどのような形式で用意すればよいですか。
解析可能な形式のデータが必要です。変数名、単位、カテゴリのコード、欠測値の表記をまとめた変数辞書を添えていただくと、確認がスムーズです。データ収集そのものはサービスの対象外です。
公費・研究費で支払えますか。
見積書・納品書・請求書を発行し、納品書は検収にご利用いただけます。詳しくはお支払い・公費対応のご案内をご覧ください。
まとめ
統計解析の外注は、依頼前の整理、納品物の確認、著者資格と謝辞の取り決めの3点を押さえておくことで、手戻りを減らせます。解析の責任と結論の決定は研究者にあることを前提に、専門家の力を必要な部分で活用してください。
公費・研究費でのお支払いに対応しています。
見積書・納品書・請求書を発行し、納品書は検収にご利用いただけます。ご依頼前のお支払いは不要です。詳細はお支払い・公費対応のご案内、ご相談はお問い合わせへ。
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参考資料
- ICMJE, Recommendations for the Conduct, Reporting, Editing, and Publication of Scholarly Work in Medical Journals(icmje.org)
- EQUATOR Network, Reporting guidelines(equator-network.org)