Scientific ReportsのPubMed収載件数(2011〜2025年)と日本の機関の所属を含む論文数の棒グラフ。全論文は2023年22,262件、2024年31,093件、2025年47,617件と急増。日本の所属を含む論文は2019年以降おおむね1,900〜2,600件で推移し、日本の割合は2021年の11.2%から2025年の4.6%に低下

Scientific Reportsとは|投稿料・IF・査読期間

Scientific Reportsは、Nature Portfolio(Springer Nature)が2011年に創刊した完全オープンアクセスのジャーナルです。自然科学、心理学、医学、工学のあらゆる分野の原著研究を掲載し、論文を「重要性」ではなく「技術的な健全性」で評価します。論文掲載料(APC)は£2,290/$2,850/€2,490(付加価値税などの税が別途かかり、価格は受理日の時点で確定)で、最初の判定は投稿から45日以内を目標としています。採択率は、Springer Nature自身のインフォグラフィックによると33%(2024年)です。PubMedの実データを私たちが分析したところ、日本の機関の所属を含む2025年の論文では、「受付(received)」から「受理(accepted)」までの日数の中央値は139日でした。

画期的な主張よりも確かなデータに価値がある、健全で丁寧に報告された研究に向いています。一方、選抜性の高いジャーナルであること自体が評価に必要な場合や、報告基準・データ公開の規定を満たせない研究には、あまり向きません。

日本語で「Scientific Reports」と検索すると、上位に並ぶのは大学や企業のプレスリリース(「…がScientific Reportsに掲載されました」)、natureasia.comにあるジャーナルの日本語ページ(2020年時点の指標「被引用数で世界6位」「JIF 4.379」を表示したままのページもあります)、Wikipedia、個人のブログが中心です。本記事では、ジャーナルの最新の英語ページ(2026年10月1日閲覧)、Springer Nature自身が公表している数値、日本語による独立した分析(佐藤, 2026)、そして私たち自身のPubMed分析をもとに解説します。「自分の論文はここに合うのか」「費用はいくらか」「どのくらい時間がかかるか」「編集委員はまず何を確認するのか」という、投稿を決めるうえでの疑問に一つずつお答えします。

Scientific Reportsの基本情報

項目 ジャーナル・出版社の記載内容(2026年10月1日閲覧)
出版社・ジャーナル群 Nature Portfolio(Springer Nature)。「特に記載がない限り、Nature Portfolioジャーナルの方針に従う」としています
創刊 2011年(NLM Catalog:第1巻・論文番号1、2011年6月14日)
掲載範囲(スコープ) 「自然科学、心理学、医学、工学のあらゆる分野の原著研究」
論文の種類 研究論文はArticleとRegistered Reportの2種類
アクセス形態 完全オープンアクセス。著作権は著者が保持し、ライセンスはCC BY 4.0またはCC BY-NC-ND 4.0
APC(論文掲載料) £2,290/$2,850/€2,490。「該当する場合は付加価値税または現地の税が加算」され、価格は受理日の時点で決まります
査読 編集委員(Editorial Board Member:「あなたの分野で現役の研究者」)が担当し、査読者を2〜3名選びます。査読者は、本人が希望しない限り著者に名前を明かされません
最初の判定までの目標 「投稿から45日以内に最初の判定を出すことを目指しています」
採択率 33%(2024年)。nature.com上で公開されているSpringer Natureのジャーナル紹介インフォグラフィックに記載された出版社公表値です。同じ資料では、受理論文1本あたり平均2名の査読者と担当編集者1名、修正は平均1.5回とされています。ジャーナルの主なAboutページには記載されていません
インパクトファクター(JIF) ジャーナルのAboutページでは2025 Journal Citation Reports(Clarivate, 2026)を出典として4.9(2025年)と表示されています(出版社表示値)。出版社が以前に示していた値は、3.9(2024年のJIF、2025年のSpringer Natureインフォグラフィック)と4.379(2020年のJIF、natureasia.comの日本語ページ)です
ジャーナルが示すその他の指標 5年インパクトファクター4.8(2025年)、SNIP 1.339(2025年)、SJR 0.893(2025年)、「2025年に100万回以上引用された、世界で2番目に多く引用されているジャーナル」
収録データベース(ジャーナル自身の一覧) Web of Science、PubMed、PubMed Central、Scopus、Dimensions、Google Scholar、DOAJ、SAO/NASA ADS
ISSN/PubMedでの略誌名 2045-2322(オンライン)/Sci Rep

Springer Natureの日本語プレスリリース(2025年12月)は、規模を示す数字も挙げています。著者数は100万人以上、累計被引用数は665万回以上(1論文あたり平均24.2回)で、論文の多い分野の上位3つは、生物医学・臨床科学(49.5%)、生物科学(13.7%)、工学(10.4%)です。

多くの投稿判断にとって、この表の中でインパクトファクターより重要なのは、健全性のみを問う審査基準(次の章)とAPC(「APC(論文掲載料)の金額と支払い」の章)の2点です。JIF、SNIP、SJRの違いについては、CiteScore・SJR・SNIPとIFの違いで解説しています。

Scientific ReportsはNatureと同じですか? いいえ。同じ出版社のジャーナル群(Nature Portfolio)に属し、同じ編集方針・倫理方針に従いますが、独自の掲載基準(重要性ではなく技術的な健全性)と、現役研究者からなる独自の編集委員会をもつ別のジャーナルです。履歴書や業績リストには、ジャーナル名どおりScientific Reportsと記載してください。

編集委員と査読者が実際に評価すること:重要性ではなく健全性

これがScientific Reportsについて最も重要な点であり、論文の書き方も変わってきます。ジャーナルの査読者向けガイド(Guide to referees)には、次のように書かれています。

「Scientific Reportsに掲載されるためには、論文は科学的に妥当であり、方法と解析が技術的に健全でなければなりません。原稿は、その重要性、意義、インパクトの見込みによっては評価されません。そうした判断は、出版後に研究コミュニティが行います。対象範囲が狭い論文、分野の境界にある論文、ネガティブな結果を報告する論文、科学的に正当化された再現研究も、喜んで掲載します。」(原文英語、編集部訳)

査読者は、重要性を評価しないよう明示的に求められています。代わりに、「論文は技術的に健全か」「主張は実験データによって十分に裏づけられているか」「統計解析は適切か」「データの利用可能性は研究コミュニティの基準を満たしているか」といった問いに答えます。

このモデル(幅広いスコープ、APCで運営されるオープンアクセス、新規性ではなく健全性による審査)は、学術出版の研究者からオープンアクセス・メガジャーナル(open-access mega-journal)と呼ばれています(Wakeling ら, 2016;Björk, 2018)。Björkの2018年の研究は、Scientific Reportsが「2014年以降急速に成長」し、最大のメガジャーナルになったことをすでに指摘していました。その後どこまで成長したかは、後述の「実データで見る」の章のPubMed件数が示しています。

原稿のタイプ別に見た相性

論文の特徴 Scientific Reportsとの相性 理由
慎重に行われた研究で、結論が明確かつ控えめ 良い 審査基準は健全性。「新規性が小さい」こと自体は不採択の理由にならない
ネガティブな結果や帰無仮説を支持する結果、正当な理由のある再現研究を報告している 良い 査読者向けガイドで明示的に歓迎されている
2つの分野の境界にあり、どちらの専門誌からも「スコープ外」とされる 良い スコープが広く、担当の編集委員は分野に合わせて選ばれる
目を引く主張を、少ないデータで支えている 不向き 査読者は主張が「データによって十分に裏づけられているか」を確認する。過大な主張こそ査読の対象になる
元データやコードを共有できない 不向き データ利用可能性の記載(Data availability statement)は必須で、査読者もデータの利用可能性について問われる
選抜性の高いジャーナルに載ることがキャリア上必要(特定の採用や賞など) 場合による このジャーナルの強みは選抜性ではない。所属部局や助成機関が実際に何を評価するかを確認する
参加者の組み入れ開始後に試験登録された臨床試験 2026年8月6日以降は対象外 「投稿前のフォーマット・方針チェックリスト」の章を参照

実践的な教訓は、Scientific ReportsではDiscussionで主張するのは、Resultsが示していることだけにするということです。より選抜性の高いジャーナル向けに書いた原稿を投稿し直す場合は、ほかを直す前に、まずIntroductionとDiscussionを読み返し、データが示す以上のことを約束している記述がないか確認してください。

「Scientific Reportsはハゲタカジャーナル?」という疑問への答え

この疑問は、日本語の検索や掲示板でよく見られます。掲載論文数が非常に多く、APCを課しているためです。誠実にお答えすると、2つの側面があります。

① 検証できる事実:ハゲタカ出版を見分ける一般的なチェック項目に照らせば、Scientific Reportsは正規のジャーナルです。Springer Natureが発行し、APCを公開し、査読プロセスと異議申し立て(appeal)の手続きを詳しく説明し、Nature Portfolioの編集方針に従うことを明記し、PubMed/PubMed Central、Web of Science、Scopus、DOAJに収録されています(Aboutページの一覧によるもので、それぞれのデータベースで直接確認できます)。私たちが使っている一般的なチェックリストは、ハゲタカジャーナルの見分け方をご覧ください。

② 正当な議論:「ハゲタカではない」ことは、「選抜性の高い専門誌と同等である」ことを意味しません。この点については、実際に議論があります。

  • Ioannidis、Pezzullo、Boccia(2023年、JAMA)は、メガジャーナルの急成長が研究にもたらす機会と脅威の両方を論じています。
  • 2024年10月、研究公正の調査に取り組む研究者のグループがSpringer Nature宛ての公開書簡を発表し、Scientific Reportsに掲載された研究の一部に深刻な欠陥があること、また指摘への対応が不十分であったことを訴えました。
  • 佐藤(2026)は日本の学術誌『情報の科学と技術』でこの批判を検討しています。撤回論文数は増加した(2023年45本、2024年68本、2025年98本)ものの、掲載数も同じペースで増えているため、問題の割合が上昇した明確な兆候はないと結論づけています。残る懸念として挙げているのは、これほど大規模なジャーナルが安定を保てるかどうかです。

健全性のみを審査するジャーナルには、重要性の評価が幅広い論文が掲載されるため、読者や評価委員会は、Scientific Reportsの論文をジャーナル名よりも論文そのものの内容で判断する傾向があります。

私たちからのアドバイス:論文が健全で、新規性について議論することなくオープンに公開したいのであれば、Scientific Reportsは妥当な選択肢です。学位審査、昇進審査、助成機関への報告など、特定の評価で掲載誌が重視される場合は、メガジャーナルをどう扱うかを、投稿前にその評価の担当者に確認してください。投稿後では遅すぎます。

APC(論文掲載料)の金額と支払い

項目 ジャーナルの記載
現在のAPC £2,290/$2,850/€2,490。「該当する場合は付加価値税または現地の税が加算」
適用される価格 「APCの価格は、論文が出版のために受理された日に基づいて決定されます」。投稿から受理までの間に価格が改定された場合は、改定後の価格が適用されます
支払いのタイミング 受理された場合のみ。ただし、裁量による免除の「査読中または受理後の申請は検討できません」
免除・割引 世界の最低所得国の責任著者には自動的に免除・割引が適用されます。それ以外は「経済的な必要がある場合」に個別に検討されますが、申請できるのは投稿時のみです
機関契約 Springer Natureは各機関とオープンアクセス契約を結んでおり、ジャーナルの検索ツール(nature.com/srep/open-access-funding)で、所属機関の契約がScientific Reportsに適用されるかを確認できます
ライセンスの選択 CC BYまたはCC BY-NC-ND。「OAを選択する前に、助成機関の要件を確認することをお勧めします」

日本の研究者向けの注意点

  • 円建ての価格は公表されていません。英語ページに記載されているのは英ポンド・米ドル・ユーロのみで、natureasia.comの日本語オープンアクセスページも価格についてはジャーナルのサイトを参照するよう案内しています。日本語のブログ記事などで見かける円の金額は、過去の米ドル価格を当時の為替レートで換算したものです(私たちが確認した例では、2024年の価格$2,590をその日のレートで換算していました)。予算は「US$2,850 × 現在の為替レート(TTS)+該当する税+為替変動に備えた余裕」で見積もり、受理時に請求通貨を出版社に確認してください。
  • まず所属機関を確認しましょう。科研費などの研究費を使う前に、ジャーナルの機関検索ツールを使い、適用される契約がないか図書館に問い合わせてください。免除の申請は投稿時にしか検討されないため、投稿前に済ませることが大切です。
  • ライセンスと助成機関の規定。助成機関が特定のクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを求めている場合(多くはCC BYを求めています)は、既定値のまま進めず、意識して選んでください。公的資金による研究の即時オープンアクセス方針については、科研費・JST・AMEDの即時OA義務化をご覧ください。
  • ジャーナル全般のAPCの予算計画については、論文掲載料(APC)の相場と予算計画で解説しています。

査読プロセスの流れ

この表の内容は、すべてジャーナルの「Editorial process」と「Peer-review policies」のページに基づいています。

段階 内容 著者が準備・対応できること
1. 初期品質チェック Nature Portfolioの方針(オーサーシップ、利益相反、倫理審査の承認、剽窃)に適合しているかの確認 投稿ボタンを押す前に、各種申告と倫理に関する記載をそろえ、類似度チェックで問題がない状態にしておく
2. 編集委員による評価 その分野の現役研究者が、査読に回すかどうかを判断し、査読者を2〜3名選ぶ 研究がScientific Reportsに適している理由を説明したカバーレター。査読から除外したい個人または研究室を最大3件まで指定でき、これは尊重される。推薦した査読者が起用されるとは限らない
3. 査読 査読者が、方法・解析・解釈の技術的な健全性と妥当性を評価する 統計解析、報告ガイドラインのチェックリスト、データの利用可能性
4. 判定 Accept(受理)、Minor revision、Major revision、Reject(不採択)のいずれか。最初の判定は45日以内が目標 —
修正 指摘への逐条的な回答が必要。同じ査読者または新しい査読者に回ることがある。「受理論文の修正は1回で済むことを目指しています」 1回目の修正ですべての指摘に対応する。ジャーナル自身がそう明記している
異議申し立て(appeal) 1原稿につき1回、査読を経た後のみ可能。担当の編集委員が判断し、元の判定が「重大な誤り」であった場合にのみ覆される 事実誤認や査読者の偏りを示す強い根拠がある場合に限って申し立てる
受理と校正 受理後に認められる変更は、タイトル、著者リスト、科学的な誤りの修正のみ 受理前に英文と図を仕上げておく。ジャーナルは、詳細な原稿整理(copy editing)は行わないとしている

見落としやすい点が2つあります。

  • 論文に印字される「受付日(received)」は、アップロードした日ではありません。査読方針では、「最初の投稿が標準的な品質チェックを通過した日」と定義されています。品質チェックの段階で手間取ると(申告の不足、開けない図ファイルなど)、その後のすべてが遅れます。
  • 「修正1回」は目標であり、平均はそれより多くなっています。Springer Natureのインフォグラフィックによると、受理論文1本あたりの修正は平均1.5回です。2回目の修正も想定しておきつつ、1回目の修正は、それが唯一の機会であるつもりで仕上げてください。「後で対応する」指摘を残した不完全な修正は、もう1回の修正ではなく不採択につながるおそれがあります。漏れのない回答の書き方は、Major RevisionとMinor Revisionの違いと査読反論レターの書き方で解説しています。

実データで見る:掲載数、日本からの論文、受理までの日数

ジャーナルのページからわかるのは目標値です。実際に何が起きたかは、PubMedからわかります。私たちは2026年10月1日に、NCBI E-utilities APIを使って、PubMedから2種類の公開メタデータを取得しました。

年間掲載数と、日本の機関の所属を含む論文の割合

使用した検索式(年Yごとに1回):

  • 全論文:"Sci Rep"[ta] AND Y[dp] NOT "published erratum"[pt]
  • 日本の所属を含む候補:上の検索式に AND Japan[ad] を追加

件数が実際より多く数えられないよう、正誤訂正(published erratum。著者による訂正)は除外しました。Japan[ad]だけでは件数が多めに出ます。名称に「Japan」を含む日本国外の機関、たとえば中日聯誼医院(China-Japan Union Hospital、長春)、中日友好医院(China-Japan Friendship Hospital、北京)、エジプト日本科学技術大学(Egypt-Japan University of Science and Technology)、マレーシア日本国際工科院(Malaysia-Japan International Institute of Technology)にも一致してしまうためです。そこで、候補となったすべての論文の所属情報をダウンロードし、少なくとも1つの所属で国が日本となっている論文だけを残しました。これにより、年ごとに0〜65件(2025年は65件)が除外されました。なお、古い論文(2014年より前)ではPubMedに筆頭著者の所属しか記録されていないため、初期の年は後年と単純に比較できません。

library(ggplot2)
# total = 全論文、japan = 所属国が日本の所属を1つ以上含む論文
cnt <- data.frame(year = 2011:2025,
  total = c(204, 793, 2406, 3920, 10711, 20545, 24804, 17176, 19887,
            21234, 23372, 21920, 22262, 31093, 47617),
  japan = c(35, 112, 284, 528, 998, 1791, 2127, 1664, 2026,
            2113, 2618, 2258, 1944, 1933, 2203))
cnt$share <- round(100 * cnt$japan / cnt$total, 1)
tail(cnt, 5)
# 各年の全論文数はRから直接再現できます(例:2025年)
q <- URLencode('"Sci Rep"[ta] AND 2025[dp] NOT "published erratum"[pt]', reserved = TRUE)
readLines(paste0("https://eutils.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/eutils/esearch.fcgi?db=pubmed&rettype=count&retmode=json&term=", q))

出力(R 4.3.3):

   year total japan share
11 2021 23372  2618  11.2
12 2022 21920  2258  10.3
13 2023 22262  1944   8.7
14 2024 31093  1933   6.2
15 2025 47617  2203   4.6
Scientific ReportsのPubMed収載件数(2011〜2025年)と日本の機関の所属を含む論文数の棒グラフ。全論文は2023年22,262件、2024年31,093件、2025年47,617件と急増。日本の所属を含む論文は2019年以降おおむね1,900〜2,600件で推移し、日本の割合は2021年の11.2%から2025年の4.6%に低下
図1. Scientific Reportsの年間PubMed収載件数(2011〜2025年)と、日本の機関の所属を1つ以上含む論文(緑)。数字は日本の割合(データ:PubMed E-utilities、2026年10月1日取得)© editverse.com

読み方:日本の機関の所属を含む論文は2019年以降、年間およそ1,900〜2,600本で推移していますが、ジャーナル全体の掲載数が2025年に47,617件へ急増したため、日本の割合は11.2%(2021年)から4.6%(2025年)に下がりました。

このグラフから言えること:

  • ジャーナルは急速に大きくなっています。収載件数は22,262件(2023年)から31,093件(2024年)、47,617件(2025年)へと増えました。2026年の件数はまだ途中(2026年10月1日時点で28,743件)のため、グラフには含めていません。
  • 独立した集計とも一致します。佐藤(2026)はScopus(原著論文のみ)を用いて、日本の著者を含む論文を1,944本(2023年)、1,935本(2024年)、2,067本(2025年)と集計しており、私たちのPubMedの件数に近い値です。佐藤のデータでは、著者の国別で日本は2023年に3位、2025年に8位でした。増加の主な要因は中国(2025年に15,650本、ジャーナル全体の約3分の1)、インド、サウジアラビア、イラン、エジプトです。
  • 日本の研究者は安定して利用しています。日本の機関の所属を含む論文が年に約2,000本あるということは、共著者、査読者、審査委員のなかに、ここで論文を発表したり査読を担当したりした経験のある人がいる可能性が高いということです。
  • 割合の低下は、日本からの論文の減少ではありません。日本の件数は横ばいで、変わったのは分母です。PubMedの件数だけでは、ジャーナルの選抜性が変わったかどうかはわかりません。採択率として入手できる数値は、出版社自身が公表している33%(2024年、基本情報の表を参照)だけです。

「受付」から「受理」まではどのくらいかかるか

PubMedには、各論文に印字された「受付日(received)」と「受理日(accepted)」が記録されています。私たちは次の2群を取り出しました。

  • 日本の機関の所属を含む、2025年のScientific Reportsの原著論文の全数("Sci Rep"[ta] AND 2025[dp] AND "journal article"[pt] NOT "published erratum"[pt] AND Japan[ad] → 候補2,266本。前述の日本国外の機関名を除外して2,201本。両方の日付がそろっていたのは2,199本)
  • 2025年の全原著論文からの無作為抽出2,000本(上の検索式からJapan[ad]を除き、月ごとに実行して47,563件を統合。シード20261001で抽出。両方の日付がそろっていたのは1,994本)
# jp / al = 2群それぞれの「受付→受理」日数(PubMedのHistory日付から作成したベクトル)
summary_line <- function(x) c(n = length(x), median = median(x),
  q25 = unname(quantile(x, .25)), q75 = unname(quantile(x, .75)),
  pct_within_90d = round(100 * mean(x <= 90), 1), pct_over_180d = round(100 * mean(x > 180), 1))
rbind(japan = summary_line(jp), all_sample = summary_line(al))
wilcox.test(jp, al)

出力(R 4.3.3):

              n median q25 q75 pct_within_90d pct_over_180d
japan      2199    139  97 209           20.6          31.9
all_sample 1994    136  94 202           23.0          31.7
	Wilcoxon rank sum test with continuity correction
W = 2249240, p-value = 0.1465
2025年にScientific Reportsで出版された論文の受付日から受理日までの日数のヒストグラム。日本の機関の所属を含む論文(n=2,199)の中央値は139日、全論文からの無作為抽出(n=1,994)の中央値は136日で、分布はほぼ同じ
図2. 2025年に出版されたScientific Reportsの論文の「受付→受理」日数:日本の機関の所属を含む論文の全数(n = 2,199)と、全論文からの無作為抽出(n = 1,994)。破線は中央値(データ:PubMedのHistory日付、2026年10月1日取得)© editverse.com

読み方:最終的に受理された論文のうち、半数は「受付」から「受理」まで約4か月半(中央値139日)以上かかっていました。90日以内に受理されたのは約5本に1本、6か月を超えたのはほぼ3本に1本です。日本の機関の所属を含む論文と、ジャーナル全体との間に意味のある差はありませんでした。

これらの数値を正しく使うための注意点:

  • 受理された論文だけを対象にしています。不採択になった原稿はPubMedに現れないため、これは「判定までの期間」ではなく、ご自身の論文が受理される見込みについても何も示していません。
  • 日数の起点は、品質チェックを通過した日です(「査読プロセスの流れ」の章を参照)。最初にアップロードしてからの実際の経過日数は、これより長くなります。
  • 「45日」と「139日」は、別のものを測っています。ジャーナルの45日という目標は最初の判定までのもので、私たちの139日は最終的な受理までの日数です。後者には、著者自身の修正にかかる時間と追加の査読(出版社によれば修正は平均1.5回)が含まれます。
  • この分布から逆算して計画しましょう。学位審査、科研費の報告、公募への応募など、決まった期日までに受理された論文が必要な場合、投稿から6か月の余裕を見込むのは、悲観的な見積もりではなく中央値どおりの現実的な見積もりです。査読期間を見込んだ計画の立て方は、査読・修正サイクルの期間ガイドで一般論として解説しています。

元データ(PMID、受付日と受理日、論文種別、所属情報の文字列、分類のルール)はすべて保存しており、分析を再実行・検証できます。

投稿前のフォーマット・方針チェックリスト

以下は、ジャーナルの投稿ガイドラインと編集方針(2026年10月1日閲覧)に基づいています。ガイドラインでは、ほとんどの長さの制限が推奨として書かれています(「どの制限が必須かの最終的な一覧は、投稿チェックリストのページをご覧ください」)。右の列は目標値として扱い、必須の制限はそのチェックリストで確認してください。

項目 Scientific Reportsのガイドライン
タイトル 20語以内。主なメッセージを科学的に正確に表す1文で、語呂合わせや慣用句は使わない
アブストラクト 200語以内。見出しなし(構造化しない)、引用文献なし、どの分野の科学者にも理解できるように書く
本文 4,500語以内(Abstract、Methods、References、図の説明文を除く)。組版後11ページ以内が理想
推奨される構成 Introduction、Results(小見出しあり)、Discussion(小見出しなし)、Methods
図表 図と表は合わせて8点まで。本文2,000語以下の論文では4点以下を推奨。スキームは図として示す
引用文献 60件まで。ただし「厳密には適用されない」
図の説明文 1図あたり350語まで
その他 脚注は使わない。キーワードは6個まで。グラフィカルアブストラクトには対応していない。ページ番号と行番号は自動では付かないため自分で付ける
必須の記載 著者の貢献(Author contributions)、データ利用可能性の記載(Data availability statement)、利益相反(Competing interests、Additional Information内)
AIツール ChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)は著者の要件を満たさない。LLMを使用した場合は、すべてMethodsに記載する
初回投稿のファイル 本文と図は3 MBまでなら1つのファイルにまとめてよい。Wordが推奨で、LaTeXまたはPDFも可
修正原稿 本文はWordまたはLaTeXのみで、PDFは不可。図は別ファイルにする
カバーレター 研究がScientific Reportsに適している理由、推薦する査読者と除外を希望する査読者、編集委員と事前にやり取りがあればその内容
臨床試験 登録が必要(ICMJEが認める登録機関またはWHO ICTRPの一次登録機関)。登録番号と登録日をアブストラクトの最終行に記載する。RCTはCONSORT 2025に準拠し、プロトコルは別ファイルで提出する。2026年8月6日以降、事前登録されていない試験は審査の対象外
メタアナリシス PRISMAチェックリストとフローダイアグラムが必須
メンデルランダム化 STROBE-MRチェックリストが必須
プレプリント 認められたプレプリントサーバーへの掲載は、既発表とはみなされない
移管 Springer Natureの別のジャーナルに投稿した論文は、移管サービス(transfer)を利用するか、新規に投稿できる

ガイドラインは、このジャーナルが「実に多様な分野の科学者に読まれている」ことにも触れ、できるだけ明確に伝えるよう求めています。専門用語を避け、略語を最小限にし、タイトルとアブストラクトをどの分野の科学者にも理解できるようにすることです。日本の著者にとっては、ここが第三者に読んでもらう価値の最も高い段階であることが少なくありません。文法的には正しくても、狭い専門家向けに書かれた原稿は、幅広いスコープのジャーナルの編集委員にとって位置づけを判断しにくくなります。

報告ガイドライン全般についてはEQUATORネットワークで報告ガイドラインを選ぶ方法を、投稿前によくある不備についてはデスクリジェクト防止チェックリストをご覧ください。

Scientific Reports、専門誌、より選抜性の高いジャーナル:どう選ぶか

機械的に当てはめる判定表ではなく、共著者と話し合うときの論点整理としてお使いください。

問い 「はい」の場合 「いいえ」の場合
論文の主な価値は、1つの目玉となる主張よりも、健全で十分に記録されたデータにあるか Scientific Reportsは自然な候補 まず選抜性の高いジャーナルを検討する。Nature・Science・Cell採択戦略を参照
届けたい専門分野の読者は、幅広いスコープのジャーナルを実際に読むか 問題なし 大切な読者に届くという点では、専門誌のほうが有利な場合がある
データとコードを共有できるか(または制限の理由をData availability statementで説明できるか) 問題なし Nature Portfolioのどのジャーナルを選ぶ場合も、先にこれを解決する
APC(US$2,850+税)を機関契約、研究費、部局予算でまかなえるか 問題なし 同等の質で、APCがない、または低いジャーナルを探す
約6か月以内の決まった期日までに受理が必要か 余裕を見込む(「受付」から「受理」までの日数を参照) —
特定の評価で掲載誌名が重視されるか メガジャーナルをどう扱うか評価者に確認する —

候補のジャーナルが2〜3誌残った場合は、同じ基準で比較してください。一般的な考え方は論文投稿先ジャーナルの選び方|7つの基準にまとめています。投稿プロセス全体をどのようにサポートしているかは、出版サポート・国際ジャーナル投稿支援のページでご紹介しています。

自分の論文がScientific Reportsに合うか迷っている方へ

ジャーナル選定サービスでは、原稿を分析し、スコープとの適合性、インパクトファクター、査読期間の情報を添えて、候補となるジャーナルを3〜5誌ご提案します(レポートは3営業日でお届け)。Scientific Reportsを検討中とお伝えいただければ、ほかの候補と並べて評価しますので、共著者の皆さまと判断する材料としてお使いください。

ジャーナル選定(¥14,800)

投稿先がすでに決まっている方へ:投稿規程フォーマット調整(2営業日)では、タイトルページ、アブストラクトの形式、章立て、引用文献のスタイル、図のサイズと解像度、ファイル形式、語数を、ジャーナルの最新の投稿規程(上の「投稿前のフォーマット・方針チェックリスト」の項目)に合わせて調整します。

投稿規程フォーマット調整(¥9,800)

投稿から修正の各ラウンドまで伴走してほしい方へ:投稿から採択までの伴走パッケージ(定額)は、ジャーナル選定、カバーレター、フォーマット調整、投稿システムの操作案内、査読コメントへの回答(ラウンド数の上限なし)に加え、不採択の場合は次のジャーナルに向けた再準備まで対応します。採択まで追加料金なしでサポートを継続します。

投稿から採択まで|伴走パッケージ(¥298,000)

私たちは研究者の皆さまの仕事を支えますが、研究そのもの、その解釈、結論は研究者ご自身のものです。採否はジャーナルが判断します。私たちのサービスを含め、ジャーナル提携の英文校正サービスであっても、採択を保証することはできません。ジャーナル自身も、英文校正サービスの利用は「論文が査読に回ることや掲載が決まることを保証するものではない」と述べています。

まとめ

  • どんなジャーナルか:2011年創刊、完全オープンアクセスで幅広いスコープをもつNature Portfolioのジャーナル。重要性の見込みではなく、技術的な健全性で審査します。Natureとは別のジャーナルです。
  • 指標:ジャーナルが表示するJIFは4.9(2025年)(2024年は3.9、2020年は4.379)。採択率はSpringer Nature自身のインフォグラフィックによると33%(2024年)。いずれも出版社が示す数値です。
  • 費用:£2,290/$2,850/€2,490に付加価値税または現地の税が加算され、価格は受理時に確定。円建ての価格は公表されていません。免除の申請は投稿時のみで、まず機関契約を確認しましょう。
  • プロセス:品質チェック → 編集委員 → 査読者2〜3名 → 判定。最初の判定は45日以内が目標。修正は1回が目標で、出版社の示す平均は1.5回。異議申し立ては1回のみで、査読後に限られます。
  • 実際の所要日数:日本の機関の所属を含む2025年の論文では、「受付→受理」の中央値は139日(四分位範囲97〜209日)で、ジャーナル全体(136日)と同程度でした。
  • 掲載数:日本の機関の所属を含む論文は2019年以降、年間およそ1,900〜2,600本。全体の掲載数は2025年に47,617件でした。
  • 投稿前に:タイトル20語以内、見出しなしのアブストラクト200語以内、図表8点以内、Data availability statement、LLM使用のMethodsへの記載、臨床試験の登録ルール(2026年8月6日以降は事前登録が必須)。
  • 向いている論文:ネガティブな結果や再現研究を含め、誠実な結論をもつ健全な研究に向いています。評価がジャーナルの選抜性に左右される場合は、改めて検討してください。

公費・研究費でのお支払いについて

Editverse Japanのサービスは、すべて科研費などの公費・研究費でお支払いいただけます。所属機関が必要とする書式で、見積書・納品書・請求書を発行します。詳しくは公費・研究費でのお支払いをご覧いただくか、無料見積もり・お問い合わせからご依頼ください。

なお、ジャーナルのAPCはEditverseではなく出版社に支払うものです。研究費での処理方法(論文投稿料・掲載料など)は、所属機関の経理担当部署にご確認ください。

よくあるご質問

Scientific Reportsの2026年のAPC(論文掲載料)はいくらですか?

ジャーナルのオープンアクセスのページ(2026年10月1日閲覧)では£2,290/$2,850/€2,490で、付加価値税または現地の税が加算され、価格は受理日の時点で確定します。円建ての価格は公表されていないため、米ドルの金額を現在の為替レートで換算し、受理時に出版社に確認してください。免除の申請は投稿時にしか検討されないため、所属機関とSpringer Natureの契約の有無は投稿前に確認しておきましょう。

Scientific Reportsの査読期間はどのくらいですか?

ジャーナルは、投稿から45日以内に最初の判定を出すことを目標としています。2025年に出版された、日本の機関の所属を含む論文2,199本を私たちがPubMedで分析したところ、論文に印字された「受付日」から「受理日」までの日数の中央値は139日(四分位範囲97〜209日)でした。90日以内に受理されたのは約21%、180日を超えたのは約32%です。いずれも受理された論文だけを対象にした数値です。

Scientific Reportsの採択率とインパクトファクターはいくつですか?

Springer Natureがこのジャーナルについて公開しているインフォグラフィックでは、2024年の採択率は33%です。ジャーナルのAboutページには、ClarivateのJournal Citation Reports 2025を出典として、Journal Impact Factor 4.9(2025年)が表示されています。出版社の以前の資料では、2024年は3.9、2020年は4.379でした。いずれも出版社が示している数値で、私たちがClarivateのデータと直接照合したものではありません。

Scientific Reportsはハゲタカジャーナルですか?

一般的な基準に照らせば、いいえ。Springer Natureが発行し、APCと査読プロセスを公開し、Nature Portfolioの編集方針に従い、PubMed/PMC、Web of Science、Scopus、DOAJに収録されています。ただし、健全性のみを審査するメガジャーナルであり、その急成長は研究公正の観点から公の批判も受けています(2024年の公開書簡、佐藤 2026による検討)。評価者によっては、こうしたジャーナルを選抜性の高い専門誌とは区別して扱うことがあるため、それが重要な場合はご自身の評価委員会に確認してください。

Scientific Reportsの主な語数制限は?

タイトルは20語以内、アブストラクトは200語以内(見出しなし、引用文献なし)、本文はAbstract・Methods・References・図の説明文を除いて4,500語以内、図表は8点まで、図の説明文は1図あたり350語までです。ガイドラインではほとんどの制限が推奨として書かれており、必須の制限についてはジャーナルの投稿チェックリストを参照するよう案内されています。

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参考資料

PubMedで確認済みの文献(2026年10月1日にPubMedの書誌情報と照合)

  • Wakeling S, Willett P, Creaser C, Fry J, Pinfield S, Spezi V. Open-Access Mega-Journals: A Bibliometric Profile. PLoS One. 2016;11(11):e0165359. PMID: 27861511. DOI: 10.1371/journal.pone.0165359
  • Björk BC. Evolution of the scholarly mega-journal, 2006-2017. PeerJ. 2018;6:e4357. PMID: 29441240. DOI: 10.7717/peerj.4357
  • Ioannidis JPA, Pezzullo AM, Boccia S. The Rapid Growth of Mega-Journals: Threats and Opportunities. JAMA. 2023;329(15):1253-1254. PMID: 36939740. DOI: 10.1001/jama.2023.3212

その他の公表資料(2026年10月1日閲覧)

ジャーナル・出版社・関連機関の資料(すべて2026年10月1日閲覧)

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